一方、「静」と表現した「Brighter」は、ギラギラしてアグレッシブな「Rocketeer」からうってかわって、内省的な作品に仕上がっている。改めて彼らの歌唱力の高さを再認識させられるボーカルラインの美しい楽曲だ。夢を追い、道を見失いかけて彷徨う自分に、大切な人がそっと光を差し伸べてくれるストーリーとなっている歌詞は、ボーカルの豊かな表現力によって、より説得力をもって心を打つ。そして、純粋さや清純さを感じさせる白や青を基調に寒色で構成された「Brighter」のMVでは、バキバキにキレのある「Rocketeer」とは異なり、しなやかで伸びのあるダンスを見せてくれる。

　「Rocketeer」と「Brighter」、「動」と「静」どちらも魅力的に表現できるINIの守備範囲の広さは、各メンバーのポテンシャルの高さに裏付けられたプロフェッショナルな技術に由来する。そんな特別な11人が集結したINIは、オーディションから誕生するボーイズグループが群雄割拠するなか、唯一無二のグループとして羽ばたいていくはずだ。