SKE48 須田亜香里、江籠裕奈、熊崎晴香、荒井優希、鎌田菜月インタビュー　意識の変化が生んだ“家族”のような団結力

文・取材＝松本まゆげ、写真＝池村隆司

「後輩たちにも自由に泳いでもらいたい」（須田）

――最初にも少し話していただきましたが、今のSKE48についてももう少し聞かせてください。グループ活動って大勢であればあるほど“まとまり”を意識せざるを得ない気がしますが、今のみなさんはまとまるためにどんなことをしていますか？

須田：うーん……そもそも意識していないかもしれないです。

江籠：そうですね。自然とまとまっている気がする。

須田：選抜総選挙がなくなったあたりからかな……？　SKE48は、家族感が増しているんですよ。以前は、総選挙があったことで自分以外のメンバーのことを「ライバルだ」と思う瞬間が多かったんですけど、今はライバルというより「仲間」という意識のほうが圧倒的に強いです。だから家族っぽい雰囲気になっています。年々仲の良さが増していて、もはや平和。それだけ私が先輩になったという部分もあるでしょうけど、それだけでは説明がつかないような違いは感じますね。昔からの熱さはそのままに団結力が高まって、より面白いSKE48になっているんじゃないかと思います。

――総選挙の影響が大きいようですが、誰かがそういうグループに変えたのでしょうか？

荒井：特定の誰かというより、全体的にですね。いつからか、「SKE48はこのままじゃダメだ」「SKE48のために活動したい」と思うメンバーが増えてきた気がします。そういう思いを個々に持てると、集団って団結できるじゃないですか。今も、きっとそういう段階なんだと思います。「先輩が卒業してしまったけど、このシングルで盛り上げたい！」とみんなが自然と思っているから、一つになれているんじゃないですかね。

熊崎：あと、亜香里さんの話を聞いて思ったのは、前は「ライバルに負けたくない！」と焦って自分の良さを探したり引き出したりしていたけど、仲間意識の強い今は余裕を持って周りを見られるようになって、自分の良さもまわりの良さもしっかり見られるようになった気がします。

須田：みんなで補い合っている感じ？

熊崎：そうですね！

荒井：わかる気がする。人のいいところも出したいんだよね。

熊崎：みんなが「それいいよ！　面白いよ！」って言ってくれるし、「こういうこともやってみようよ」と提案してくれるから、お互いに伸ばし合えます。だからこそ良いグループになってきていると思います。

須田：個性がぶつかるんじゃなくて、個性が噛み合っていくようになったよね。

熊崎：噛み合って重なっていくから、どんどん良くなっていくんですよね。

――なるほど。ただ、どのグループもそんなにうまくはいかないと思います。今のSKE48だからできるバランス感なのでしょうね。そんな中で、ベテランメンバーとして後輩たちにどんな背中を見せたいですか？

須田：私は、あえてみんなに「先輩後輩関係なく、のびのびするのが正解だよ」と言っています。「ちょっと自分勝手かな？」と思うくらい前に出たほうが、意外と自分も周りもアガるんですよ。なので「こんなことしたらダメかな？」じゃなくて、のびのびやること。私自身、そういうスタンスでやらせてもらえて良かったと思っているからこそ、後輩たちにも自由に泳いでもらいたいんです。

――抑え込むとグループとして統率が取れるかもしれないけど、個性は出ない気がしますものね。のびのびやるからこそ、活気づく。

須田：アイドルって、理想像を持って加入する子が多いんですけど、理想像だけじゃなくて素の自分も本当は愛されるんですよ。そこに自信を持ってもらいたいと私は思っています。だからこそ、あえて言葉にして伝えるようにはしていますね。