近年は『ラブライブ！』シリーズのμ’sやAqours、『BanG Dream!』のPoppin’Party、Roselia、『マクロスΔ』のワルキューレなど、コンテンツの枠を越えて活躍するキャラクターソングユニットが増えている。一方でコンテンツに縛られずに広く活動する声優ユニットも多く、古くはDROPSやAice5、ここ10年ではスフィアやTrySailなどが活躍している。今年はすでにSmewthie（スミュウジー）、harmoe、ヒーラーガールズといった声優ユニットがデビュー。枠にとらわれない活動に注目が集まっている。

多彩なキャリアを持つSmewthie

　3月22日にスタートアップシングル『bitter sweet darling』を配信リリースした、声優5人組ユニット・Smewthie（スミュウジー）は、創刊65周年の漫画雑誌『なかよし』の人気連載を原作にした完全新作アニメ『東京ミュウミュウ にゅ～♡』（2022年に放送予定）のメインキャスト5名で結成。“『東京ミュウミュウ』に新たな魅力をミックスして、よりかわいくおいしく世界へお届けしよう”というコンセプトで、フルーツや野菜を混ぜて作るスムージーにちなんで命名された。

　メンバーは、応募総数3000人超の主人公オーディションで選ばれた天麻ゆうき（桃宮いちご役）、『おはスタ』（テレビ東京）の元おはガールで、ワイドナショー』（フジテレビ系）への出演経験も持つ日向未来（藍沢みんと役）、ももいろクローバーZなどが在籍するスターダストプロモーションの声優部に所属する十二稜子（碧川れたす役）、雑誌『TEENS』の専属モデルやアイドルグループ・Shibu3projectのメンバーとしても活動する戸田梨杏（黄歩鈴役）、そして、子役として『マイガール』（テレビ朝日系）や2016年放送の『時をかける少女』（日本テレビ系）などに出演してきた石井萌々果（藤原ざくろ役）といった5人だ。

　「bitter sweet darling」は、アニメ『ご注文はうさぎですか?』シリーズなどのキャラクターソングや声優の楽曲を数多く手がける、園田健太郎が作詞作曲を担当。各メンバーのソロやかけ声のパートもあるほか、一歩を踏み出す勇気を与えてくれる歌詞、疾走感あふれるサビメロが胸を熱くさせる。MVではメンバーがスイーツ作りに挑戦するシーンもあるほか、キュートなダンスシーンが満載だ。カップリングの「Resolution of colors」は、『アイドルマスター』シリーズでおなじみの真崎エリカが作詞、同じく本多友紀（Arte Refact）が作曲・編曲を務めたエレクトリックサウンドのダンスチューン。表題曲とは一転、クールで力強いボーカルを聴かせている。

　多種多様な経歴を持つ5人が、今後どんな化学反応を起こしていくのか。また来年のアニメ放送までの成長も楽しみだ。

歌への自信を感じるharmoeとヒーラーガールズ

　3月10日にシングル『きまぐれチクタック』でデビューしたharmoeは、岩田陽葵と小泉萌香による2人組ユニット。少しフワフワとした雰囲気の岩田は、慶應義塾大学卒で中学時代から女優として活動。一方、元気で真っすぐな印象の小泉は、高校時代にコーラス部、大阪芸術大学在学中はアカペラサークルに所属していた経験を持つほか、ゲーム『けものフレンズ3』のユニット・×ジャパリ団としての活動や、『ラブライブ！虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』の三船栞子役でも知られる。

　2人は共演する機会が多く、2017年から『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』や『D4DJ』といったメディアミックスコンテンツに出演しているほか、2019年からはニコニコチャンネルで『岩田陽葵・小泉萌香 気の向くままに思うがままにっ！』を配信している。harmoeの結成に関しては、所属するポニーキャニオンのプロデューサーから個々にユニットでのデビューの打診を受けた際、相方の名前を聞かされて驚いたという。

　コンセプトは、おとぎ話とエレクトロサウンドの融合。サウンドプロデュースをMaltine Records出身のTomgggが務め、エレクトロミュージックと2人の小春日和のような雰囲気が見事にマッチした。『きまぐれチクタック』には、『不思議の国のアリス』をモチーフにしたファンタジックで浮遊感満載な楽曲が収録され、ウィスパーボイスと美しいハーモニーも聴きどころ。表題曲「きまぐれチクタック」のMVでは、付き合いの長い2人だからこそのシンクロダンスを見せてくれている。