藤井風、新曲「旅路」は疲弊した心を包み込むーードラマ『にじいろカルテ』主題歌を聴いて
この曲には、それこそ派手な“キャッチーさ”のようなものはないかもしれない。しかし、聴けば聴くほど心の奥底に染み渡っていくような温かい魅力を感じる。記事冒頭で引用したフレーズのように、どんな日々もいずれは懐かしんで笑えるものになる、愛せるものになるというこの曲のある種の悟りに似た境地は、現在辛い境遇に置かれている人々、あるいはこのドラマが扱う(まさに今状況の逼迫している)医療の現場に従事する人々にとっても心を軽くするものになるのではないか。
「この作品を生きる皆さんを、作品に触れる皆さんを、後ろからそっと見守って、時々ふわっと包み込んでくれるような、そんな音楽になっていたらいいな」
まだまだ厳しい状況の続く2021年、人々の疲弊した心を包み込む温かい”風”にこの曲はなるだろう。
■荻原梓
J-POPメインの音楽系フリーライター。クイックジャパン・リアルサウンド・ライブドアニュース・オトトイ・ケティックなどで記事を執筆。
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