全員負けず嫌いな性格もあったのだろう。メンバーにさえ泥臭い部分をひた隠して、自分がやるべきこと、今期待されていることに一つひとつ誠実に取り組んできた。それこそがSexy Zoneらしさだ。不器用なほどまっすぐな5人は、他ならぬ自分自身でキラキラの王子様になる魔法をかけてきたのだ。そのひたむきさは、彼らの大きな魅力ではあるものの、音楽番組の出演シーンだけでは伝わりにくいものだった。しかし今回、過酷な試練と共に3日間の密着ロケで、彼らの魅力が余すことなく露呈したように思う。応援せずにはいられない人間的魅力、どこかほっておけないチャーミングさ、そして私たちの期待を越えてくる男気……これまで地道に努力を重ねてきた彼らだからこそ魅せられるドキュメンタリーなバラエティ番組を、ぜひレギュラー化してほしいものだ。

　「ナダルか！」。佐藤の真面目すぎるツッコミはじわじわとくるものの、まだまだ進化の余地がある。入浴中の佐藤に笑い飯が入っていくなど、体当たりなボケにタジタジになっていた姿も新鮮だった。菊池やマリウスも、実際にクイズ番組でチャンピオンになるところまでぜひ見届けたい。きっと彼らのインテリっぷりは、クイズ番組以外でも発揮できる場面があるはずだ。また、ヘアスタイルひとつで驚くほど感化された松島の純粋さは、今後最もバラエティで重宝される予感がする。そして、今回の放送で一番の感動を呼んだ中島のバク転も、さらに完成度を高めた姿が見たいものだ。

　番組収録後、渡辺直美も「こんなに笑って感動した番組初めてすぎて 情緒不安定になった」とInstagramのストーリーにコメントを添えていた。知れば知るほど様々な感情を掻き立てられるSexy Zone。番組の放送中に、Twitter情では“#Sexy冠”がトレンドワード入りするなど、大きな反響が見られた。まさにこの番組でSexy Zoneの人生は大きく変わるかもしれない。

（文＝佐藤結衣）