ねごと、新作『SOAK』にみた多種多様なジャンルの“浸透” 先行試聴会から紐解く
ねごとが、12月10日にニューアルバム『SOAK』の『リリース直前 シアター環境での大音量先行試聴会』を開催し、試聴会の後にはメンバーとファンによるトークセッションも行った。当記事では、トークセッションの内容と共に、いち早く試聴することができたニューアルバム『SOAK』を紹介していきたい。
ねごとは、2016年にリリースした『アシンメトリ e.p.』を機に、サウンドプロデュースに中野雅之（BOOM BOOM SATELLITES）を迎え、これまでのバンドサウンドからダンスミュージック／エレクトロに傾倒していった。今年2月リリースのアルバム『ETERNALBEAT』は、中野に加え新たに益子樹（ROVO）もプロデュースに加わり、よりダンスミュージックを追求した作品に仕上がっている。
前作から僅か10カ月という短いインターバルで届けられる今回の『SOAK』。2枚のシングル『DANCER IN THE HANABIRA』『空も飛べるはず / ALL RIGHT』の楽曲を含んだ全11曲は、前作『ETERNALBEAT』の世界観を踏襲しながら、ダンスミュージックからエレクトロとバンドサウンドへと音色が変化した印象だ。蒼山幸子（Vo&Key）は、前作を出したタイミングから今回のアルバムのリリースを決めていたこと、『“ETERNALBEAT” TOUR 2017』と並行して今作のレコーディングをしていたことを明かし、「バンドとして今形にしたいというのがあって、『SOAK』が沁み込むという意味なんですが、自然と沁み込む作品になったんじゃないかと思います」と話す。藤咲佑（Ba）もツアー中のバンドの状態の良さを振り返りながら、『SOAK』を「エレクトロとバンドサウンドの融合」と例えた。
収録楽曲を細かく聴いていくと、ダンスミュージック色の強い「DANCER IN THE HANABIRA」、アッパーチューンのバンドサウンド「ALL RIGHT」というシングル曲に対して、ダウンビート、ドラムンベース、R&B、シューゲイザーなど、多種多様なジャンルの楽曲／色を混ぜていくことで、ねごとにしか出すことのできない『SOAK』という色が完成していることが分かる。アルバムジャケットは、水に様々な染色を垂らして撮影したもので、そのグラフィックもアルバムのサウンド面を表現しているのだろう（試聴会終わりには、ジャケット撮影に用いられた、グラデーションの液体が展示されていた）。
ファンからの「アルバム制作で一番苦労した曲は？」という質問には、楽曲制作において主導権を握る沙田瑞紀（Gt）が「undone」と答えた。「クレジットを見てもらえれば分かるんですけど、いろんな形で曲を作っていて。この曲は佑がAメロからサビ前まで、サビは私が作っていて、全体の歌詞は佑が作っていて。佑とそういうコラボレーションはしたことがなかった」と、作曲に関して初の試みに挑戦していることを述べた。また、今作で大きなクライマックスとなる楽曲がアルバムのラストを締めくくる「水中都市」だ（「空も飛べるはず」はボーナストラック扱い）。藤咲もこの曲をお気に入りの1曲に挙げ、バンドサウンドが熱を帯びていくラストスパートの畳みかけを勧めた。中野プロデュースのアルバム曲は、「サタデーナイト」「水中都市」の2曲であるが、どちらもダウナーな、浮遊感よりかは没入していくようなイメージの強い楽曲だ。中でも、「水中都市」の出だしのメロウなサウンドから、徐々にバンド感を増していった先に、演奏が止んで蒼山のボーカルが残るパートは、ねごとというバンドの新たな一面が垣間見える瞬間でもある。この完成されたサウンドを、どのようにライブで再現するのかも楽しみな部分だ。
ボーナストラックとして「空も飛べるはず」のカバーも収録されていることから、スピッツとの交流についても質問が飛んだ。ねごとは、先日スピッツ企画のライブイベント『ロックロックこんにちは！』に出演。その際に草野マサムネから「『トリガール！』劇場に観に行ったよ」という言葉をもらい、「メンバーさんも『いいカバーだった』と言ってくださったのがほっとした瞬間だった」と安堵した表情を浮かべた。さらに、藤咲はイベントでスピッツのファンの前で披露したことを「あれは緊張したね。でも、すごいいい感じに揺れてくれたり笑顔だったんで、こっちもほぐれてきて、気持ち良くライブができたな」と振り返っていた。
なお、一足先にお披露目されたニューアルバム『SOAK』は、12月13日にリリース。さらに、来年2月9日からは恵比寿LIQUIDROOMを皮切りに、およそ1年ぶりとなる全国ワンマンツアー『ねごとワンマンツアー2018 「SOAK」』がスタートする。
■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター／編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter
■リリース情報
『SOAK』
発売：2017年12月13日（水）
価格：初回生産限定盤（CD+DVD）￥3,700＋税
通常盤（CD）￥2,870＋税
＜CD収録内容＞
01. DANCER IN THE HANABIRA
02. INSIDE OUTSIDE
03. WORLDEND
04. サタデーナイト
05. Fall Down
06. moon child
07. undone
08. ALL RIGHT
09. シリウス
10. 水中都市
11. 空も飛べるはず [Bonus Track]
＜DVD収録内容＞
01. DANCER IN THE HANABIRA -Music Video-
02. DANCER IN THE HANABIRA -Music Video -Dancer ver.-
03. DANCER IN THE HANABIRA 2017/6/26 LIQUIDROOM 「ETERNALBEAT NIGHT」
04. 空も飛べるはず 2017/6/26 LIQUIDROOM 「ETERNALBEAT NIGHT」
05. ALL RIGHT 2017/6/26 LIQUIDROOM 「ETERNALBEAT NIGHT」
＜『SOAK』＆LIVE DVD / BD『“ETERNALBEAT”TOUR 2017』 W購入者特典＞
特典：“NEGOTO Year Photo Book 2017”
メンバーが今年一年撮りためたオフショット満載のフォトブック
＜『SOAK』 購入者特典＞
SOAK オリジナルクリアファイル TOWER RECORDS Ver.
対象店舗：タワーレコード全店
SOAK オリジナルクリアファイル Original Ver.
対象店舗：（対象店舗近日発表）
LIVE BD / DVD
『“ETERNALBEAT” TOUR 2017』
発売：2017年12月13日（水）
価格： 通常盤（BD） ￥5,300＋税
通常盤（DVD） ￥4,300＋税
＜収録曲＞
01. PLANET
02. DESTINY
03. Ribbon
04. holy night
05. 天使か悪魔か
06. school out
07. シンクロマニカ
08. cross motion
09. mellow
10. メルシールー
11. 君の夢
12. シグナル
13. endless
14. アシンメトリ
15. ETERNALBEAT
16. ループ
17. 凛夜
■ライブ情報
『ねごとワンマンツアー2018 「SOAK」』
2月9日（金） 【東京】LIQUIDROOM ebisu OPEN 18：30 / START 19：30
2月11日（日） 【香川】高松DIME OPEN 16：30/ START 17：00
2月12日（月・祝） 【京都】京都MUSE OPEN 16：00 / START 17：00
2月16日（金） 【広島】SECOND CRUTCH OPEN 18：30 / START 19：00
2月17日（土） 【岡山】LIVEHOUSE IMAGE OPEN 17：30 / START 18：00
2月25日（日） 【福岡】BEATSTATION OPEN 16：30 / START 17：00
3月3日（土） 【栃木】HEAVEN'S ROCK 宇都宮 VJ-2 OPEN 17：30 / START 18：00
3月10日（土） 【新潟】CLUB RIVERST OPEN 17：30 / STRAT 18：00
3月11日（日） 【長野】LIVE HOUSE J OPEN 16：30 / START 17：00
3月17日（土） 【岩手】the five morioka OPEN 17：30 / START 18：00
3月18日（日） 【宮城】仙台MACANA OPEN 16：30 / START 17：00
3月21日（水） 【北海道】札幌cube garden OPEN 16：30 / START 17：00
3月22日（木） 【北海道】帯広Rest OPEN 18：30 / START 19：00
3月25日（日） 【大阪】心斎橋BIG CAT OPEN 16：00 / START 17：00
4月7日（土） 【愛知】名古屋CLUB QUATTRO OPEN 17：00 / START 18：00
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■関連リンク
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