けやき坂46 佐々木久美＆高瀬愛奈＆東村芽依が考える、“ひらがなけやきの独自性”

「いただいた曲の歌詞がそのときの自分たちに合っている」（高瀬）

ーーそれと、けやき坂46は楽曲にもすごく恵まれているなと思っていて。最初のオリジナル曲「ひらがなけやき」から「誰よりも高く飛べ！」、「僕たちは付き合っている」までの3曲、音楽面でも欅坂46とは違った個性ができあがりましたよね。

高瀬：クール系の多い漢字さんと違って、今までいただいた曲が全部アイドルらしいというか可愛い系の曲なので、自然とそういうカラーができてきたのかなと思います。でも毎回、いただいた曲の歌詞がそのときの自分たちに合っていて。最初の「ひらがなけやき」ではグループに入ってきてすぐの私たちだけどよろしくお願いしますみたいな内容だったし、「誰よりも高く跳べ！」はだんだんこの世界に慣れてきたけど、そこからどうジャンプアップするかみたいな内容。で、今回の「僕たちは付き合っている」では新しい一面……初めての恋愛ソングなので、今までとはちょっと違った私たちの姿を見ていただける曲なんじゃないかなって。そういう意味では、確かにすごく恵まれているなと思います。

佐々木：すごい、分析してる（笑）。

東村：まなふぃって分析がすごく上手で、めっちゃ人のことをよく見ていて。あとで「あの子、◯◯やなぁ」って言うんですよ。

高瀬：なので、よく怖いって言われます（苦笑）。

ーーなるほど（笑）。では、その新たな一面を見せる新曲「僕たちは付き合っている」を歌う上で、皆さん意識していること、あるいは注目してほしいところはありますか？

佐々木：「ひらがなけやき」は初々しさ、「誰よりも高く跳べ！」は笑顔全開って感じなんですけど、「僕たちは付き合っている」は恋愛ソングなのでキュンっていう笑顔（笑）。笑顔全開とは違う笑顔を心がけています。

高瀬：そうね（笑）。歌詞と振り付けがリンクしているところがあって、そういう部分は表情も頑張ろうと思ってます。ね？

東村：うん。

ーー漢字欅の皆さんが笑顔を抑えてクールな面を見せるぶん、ひらがなけやきはそことは対極にある笑顔や爽やかさにファンの皆さんも惹きつけられるのかなと思うんです。

高瀬：握手会に来てくださるファンの方からも「けやき坂46は初々しさとか可愛らしいところが好き」と言っていただくことが多いので、確かに今のひらがなの強みはそういうところなのかもしれませんね。

ーー本当に、清々しいくらいにアイドルですもんね。

佐々木：初めて言われました（笑）。

ーー欅坂46のことを好きなライターやアーティストの方々と話すと、皆さん必ず「けやき坂46ってアイドルを好きな人が思うアイドル像に近いよね」って言うんですよ。

高瀬：えーっ、なんでだろう……でも実際、乃木坂46さんとかが好きで憧れて入ってきた子が多いっていうのもあって、「アイドルは可愛いもの」という概念が最初から頭の中にあるから、自分たちもそうなっているのかな。

ーーだからこそ、32人で揃ったときのバランスが絶妙なんですよ。

東村：嬉しいです（笑）。

高瀬：ひらがなも漢字さんみたいにカッコいい曲をやっていたら、32人揃ったときに……それも好きと言ってくださる方もいるとは思うんですけど……もしかしたら、堅苦しい「W-KEYAKIZAKAの詩」になってしまうかもしれない。そうやってひらがなが柔らかい雰囲気だと思っていただけることによって、32人合わさったときに「漢字もひらがなもそれぞれ良いけど、32人揃うともっと良いグループになるね」と思ってもらえたら嬉しいですね。

ーー4月に発売されたシングル『不協和音』には「僕たちは付き合っている」のほかにも、昨年12月の有明コロシアム公演で初披露された「W-KEYAKIZAKAの詩」も収録されています。この曲のミュージックビデオ撮影に高瀬さんが参加できず、追加撮影することも決まりましたよね。

高瀬：参加できないと決まったときは本当に申し訳ない気持ちしかなくて。「『W-KEYAKIZAKAの詩』＝32人」というイメージがあるので、ひとりでも欠けたら作品としても意味が変わっちゃうとずっと思っていたので、追加撮影していただけると聞いたときは素直に嬉しかったし、感謝しかないなと思いました。

佐々木：まなふぃが参加できないと知ってすごく残念だなと思ったんですけど、撮影の前には「まなふぃの分も頑張ってくるからね」と伝えていたんです。でも映像を観たらまなふぃがいないのが悲しくて、ファンの方も「まなふぃがいないのは寂しい」と言ってくださって、何か方法はないのかなとずっと思ってたんですよ。32人にとっての大事な曲だし、追加撮影が決まって本当に良かったなと思います。

「新メンバー加入は『けやき坂46が成長できるチャンス』（佐々木）

ーーその追加撮影がアナウンスされたバースデーライブでは、追加メンバーオーディションも発表。皆さんかなりびっくりしていましたよね。新たに仲間が加わるのが決まったことを、皆さんは今どう捉えていますか？

高瀬：発表された瞬間は頭が真っ白で何も考えられなかったんですけど、冷静になってみると、メンバーが追加されるってことは良いことも多いと思うんです。ここからひらがなけやきがもっとが大きくなって、今の12人じゃできなかったことにもチャレンジできるようになるんじゃないかなって。

東村：追加オーディションをするなんて全然考えてもみなかったので、私も最初に聞いたときはびっくりしました。今は「これからどんな子が入ってくるのかな？」っていう楽しみな面があると同時に、「自分が先輩になれるのかな？」みたいな不安もあって。でも、人数が増えること自体はプラスに考えて、これからパワーアップできるように頑張りたいなと思います。

佐々木：私は発表されたとき、MCで菅井（友香）さんに話を振られて建前しか言えなくて（苦笑）。でも、それからしばらくは「どうしてなんだろう？」と、ずっとネガティブな気持ちだったんです。でも、よく考えたら「これはけやき坂46が成長できるチャンスだ」と思うようになって。新メンバーが入るってことは、それだけひらがなの活動の場も増えるかもしれないし、私たちも先輩になるわけだからもっと内面も外見も磨いていかないとなって気づいたんです。そこでまたひらがなのみんなにスイッチが入って、さらに成長できるチャンスになるんじゃないかなと思ってます。

ーーきっと漢字欅の皆さんも、ひらがなけやきのメンバーが増えるということでまた刺激を受けると思いますし、グループ全体に良い化学反応を起こすきっかけになるんじゃないかと思いますよ。

佐々木：だと嬉しいなぁ。そうなるよう、私たちも頑張ります！

ーーでは2年目のけやき坂46、これからの目標を聞かせてください。

佐々木：私たちは今、ブログとかでしか自分をまだまだ自分をアピールする場所がなくて少なくて。雑誌とかこういうインタビューに呼んでいただくことも増えてはいるんですけど、「やっぱり動いてる姿をもっと見たいよ」とファンの人に言われることが多いんですね。だから、私たちの動いてる姿を見せられるような番組を持てたらにも出れたら嬉しいですし、そこで素を出していけたら私たちのキャラもいろんな方に知っていただけるだろうなと思います。

東村：全国ツアーもあるので、それでいろんなところに行って、たくさんの人にけやき坂46の存在を知ってもらいたいですし、一人ひとりのことも覚えてもらいたいです。

高瀬：個性が強いメンバーが多いと言っていただけることが多いので、一人ひとりの個性を発揮する場がいただけたらいいなと思ってます。そして今よりも知名度を上げて、けやき坂46といったら今の漢字欅さんぐらい誰でも知ってるというグループになりたいと思います。

（取材・文＝西廣智一／撮影＝三橋優美子）

■ライブ情報
『ひらがな全国ツアー2017』大阪公演
日時：5月31日（水）開場17:30　開演18:30
会場：Zepp Namba