OBLIVION DUST、新作『DIRT』でロック最前線へ! 兵庫慎司がバンドの歩みと現在地を読む

 久々に「聴いた瞬間に声を出して笑う」という経験をした。おもしろいから、おかしいからではなく、あまりに痛快だから出る類いの笑いだ。OBLIVION DUSTの新作=ミニ・アルバム『DIRT』収録の7曲は、そのような「かっこええ!」とか「やられた!」とか、はたまた「キた!」とか言いたくなる、そんな感触に満ちている。

 90年代後半にデビューし、2001年に解散したが、2007年に再結成。音楽的支柱であるK.A.Zは、HYDEとのバンド、VAMPSのギタリストとしても知られている。ヴォーカルのKEN LLOYDは英日のハーフでロンドン育ち、歌詞は英語(昔は日本語詞の曲もあったが)。音はヘヴィ・ロックやオルタナティヴの系譜で、その時代その時代の洋楽とダイレクトにつながっている──。

 OBLIVION DUSTをご存じない方に説明するなら、ざっとこんな感じになるだろう。ただし、デビューから解散までの時期も彼らを知っていても、今こうして新しい音に触れなければ、おそらく気づかなかったことがある。

 このバンド、こんなにあとに続くバンドの指標になっていたのか、こんなに後輩たちに影響を与えていたのか、ということだ。

 彼らがデビューした1997年は、ロックと、ハウスやテクノなどのいわゆるデジタル系のダンス・ミュージックが融合した音が、世界の音楽シーンを席巻している時期だった。

 ケミカル・ブラザーズ、アンダーワールド、ファットボーイ・スリム、それぞれアプローチや方法論は全然違うが、ロックとダンス・ミュージックのすぐれたところを併せ持ったハイブリッドな音でトップに君臨している、そんな時代だった。デビューしたばかりのOBLIVION DUSTが来日公演のオープニング・アクトを務めたプロディジーもそうだ。

 日本でもそのような動きが起こった。田中フミヤやKEN ISHIIといったトラックメーカーたちは純テクノのままでロックのフィールドにも切り込んで行ったし、もう少し前の時代から活躍していた電気グルーヴが国内で大ブレイクしヨーロッパへ進出したのもこの時期だ。そして、BOOM BOOM SATELLITESのように、ダンス・ミュージックと生のロック・バンドを組み合わせることで斬新なサウンド・フォーマットを生み出す存在も現れた。

 そのブンブンが、ダンス・ミュージック側からロック・バンド側へアプローチすることで新しい音楽を作り出した例だとしたら……いや、元々の出自はロック・バンドだし、本人たちは当初から「僕たちはロック・バンドです」と公言しているので必ずしもそうは言えないのだが、「ベルギーのテクノ・レーベルR&Sからデビューして逆輸入」とかそういうイメージも込みで、とりあえずこの場ではそういうことにさせてください。

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