12thシングル『太陽ノック』インタビュー
乃木坂46・伊藤万理華と中元日芽香が語る“グループの勢い”とは?「個々の輝きが去年とは全然違う」
「今後『プリンシパル』があっても、『じょしらく』を経験したメンバーはきっと自信がついた」(伊藤)
――伊藤さんの『CUTiE』『MdN』の連載、中元さんの『らじらー!サンデー』アシスタントMCなど、今年の乃木坂46はメンバーそれぞれの個人活動の場も広がっていますね。
伊藤:『命は美しい』で選抜に入って、気持ちも切り替えようと思っていたタイミングで、自分の今まで溜め込んでいたものをやっと外で開放できるようになってきました。それがたとえば自分でページを作る『CUTiE』の連載だったり、『MdN』でのクリエイターさんとの対談連載だったり。『MdN』の連載にしても、なかなかアイドルができることじゃないので、そこは自分の武器にして吸収したいですし。それから、個人ではあるけれど乃木坂46というグループを背負ってやっていることなので、個人の活動がグループにどう影響を与えられるかということを考えています。
――現在の乃木坂46は、メンバーそれぞれの適性に応じた個人活動が実現しているように見えます。
伊藤:乃木坂46結成されてから今までの間もずっと、みんなそれぞれ自分の武器を探してアピールしてたんですよ。それがやっと、今年に入って一気に外に出てきたという感じがします。今までも、私は何かを作ったりとかしてきたけれど、それは世間的にはあんまり見えていなかった。だから、今できている活動は嬉しいしすごく大きい。より、極めたいという思いです。
中元:私はもともと声を使ったお仕事をするのが夢で、いつかラジオ番組持てたらいいなと思っていたので、『らじらー!サンデー』は夢が叶ったような感じです。ひとつホームができたというか。個人活動をやっていて思うのは、いい反響も悪い反響も全部自分に返ってくるんですよね。特に生放送だと反応もどんどんくる。グループでの活動とは違う体感はもちろんあるんですけど、やりがいを感じながらやっています。万理華も言ったように、それをグループのみんなに持って帰れたらいいですね。以前からラジオ番組を持っている斉藤優里とか永島(聖羅)がライブでMCを回してくれていて、そういうのが私にできたらいいなと思うし。『らじらー!サンデー』では毎回、乃木坂46のメンバーがひとりゲストで来るんです。その時にMCのオリエンタルラジオさんとゲストに来るメンバーとはたぶん初めて会うだろうから、そこをつなぐのが私の役割。その子の魅力をもっと引き出してあげたいなと、番組レギュラーとして考えるようになりましたね。ファンの人が知ってる一般的な像と、知らないような新しい一面とをミックスさせながら紹介して。私自身未熟なので、鍛えられてばかりですけれど。
――個々人の活動が多くなってきたことは、グループ全体にどのように影響していくでしょうか?
中元:乃木坂46っていろんな子がいて、マルチに活躍してるんだなって思ってもらえたらすごく嬉しいですね。モデルさんも女優さんもいて、ラジオもやってて雑誌の連載も持っている。その時、それぞれの名前の横に、カッコで「(乃木坂46)」って書いてあるわけですよ。「この子たち、みんな乃木坂46なんだ」って思ってもらえることが、グループとしてもプラスになる。雑誌を見ていてそこからグループを知りましたとか、もともとアイドルとしての活動を見ていて、そのあとモデルのお仕事を知りましたとか、いろんな入口があると思うんですよ。今はどんどん、そういう流れが良くなってきているような気がします。
伊藤:もちろん乃木坂46自体にすごく魅力があるから、アイドルとして好きになったというのも嬉しいけど、個人としてのお仕事からも興味を持ってもらいたいです。でも全員が集まった時には、すごくアイドルじゃん!みたいな二面性があればいいなと。それでどっちも好きになってほしいですね。
――乃木坂46の活動の幅の広さのひとつに演劇という要素があります。先月は舞台『じょしらく』の公演がトリプルキャスト方式で行われ、お二人も出演されていました。『16人のプリンシパル』はすべての役を覚えなければならない特殊な企画ですが、『じょしらく』はそれぞれがひとつの役に専念できます。
中元:私はもともとお芝居があまり得意ではないんです。あとは『プリンシパル』の独特なシステムを経験していることもあり、舞台に立つことにも恐怖心が……(笑)。『じょしらく』ではステージに立っているのが5人だけですよね。お話をいただいた時は大丈夫かなと思っていましたし、同じような気持ちのメンバーも多かったはず。でもそういう子たちも、稽古をしていく中で舞台や演技が好きになっていきました。これはすごく前向きなプロジェクトだったのかなと思いますね。
伊藤:私も正直、舞台は苦手というか、体を大きく動かして表現するというのは不得意な方だったんですけど、『じょしらく』は余裕を持って、自分の演じる防波亭手寅という役に没頭できました。私は『じょしらく』の稽古と同時に、自分の主演映画『アイズ』のプロモーションをしていたんです。映画を経験して、役に入るのが楽しいと思えるようになった時に『じょしらく』があったので、映画の時との役柄の切り替わりが楽しくて。なにより、『じょしらく』の稽古に行けばメンバーがいるからすごいアットホームだし、「ただいま!」って感じで(笑)。映画と舞台とは全然違うんだというのを、両方同時に見られたのも貴重でしたね。
――『じょしらく』を経験したことで、『プリンシパル』への見方は変わりますか?
伊藤:自分たちにとっては厳しいシステムだとしても、乃木坂46に演劇のイメージができたのは『プリンシパル』が影響しています。『プリンシパル』でも一幕目のオーディションを経て二幕に出られた時には、役に入って演じる開放感は楽しいけれど、確かに『プリンシパル』という難しい壁を経験していることで、なかなか演劇に対してうまく踏み出せないこともある。その中で先頭を切って演劇の方面に走ってくれたのが、いくちゃん(生田絵梨花)や若月(佑美)で。プリンシパルが個人の仕事につながっているのはすごいなと思います。『じょしらく』も普通のお芝居じゃなくて3チームに分かれての形式だったので、こういうかたちもいいなというふうに、……大人が思ってくださってるかなと(笑)。今後『プリンシパル』があっても、『じょしらく』を経験したメンバーはきっと自信がついたと思うんですよ。たぶんもう、大丈夫だよ(笑)。
中元:……そう、ですね(笑)。アイドルというかエンターテイナーとしては、ファンの皆さんをびっくりさせるようなことを常にしたいと思うので、その意味ではどんなことも果敢に挑戦していきたいなと(笑)。次に『プリンシパル』があったとして、それがどんな内容であっても前向きになりたいですし、そう思わせてくれたのは『じょしらく』のおかげかもしれないですね。