カサリンチュが、「ふるさとチョイス」とコラボ ミュージシャンによる新たな社会貢献のあり方とは

 カサリンチュが各地方を回ることで、同制度のさらなる浸透が期待されるが、このように社会貢献を目指した活動をすることは、ミュージシャンにとっても重要だろう。1980年代に行われたチャリティー・コンサート『ライヴエイド』や、アメリカの著名なミュージシャンが集って制作した「ウィ・アー・ザ・ワールド」発表以降、熱心に社会貢献を行うことはポップスターの役割のひとつであるとの認識が高まったこともあり、さまざまなミュージシャンが自らの信念やメッセージを、音楽活動だけではなく行動でも示してきた。昨今では、東日本大震災の際に多くのミュージシャンが、自身の表現活動を通じて被災地支援を行ったことも記憶に新しい。

 しかし、カサリンチュのように、新たな税制度を積極的に奨励するというのは、国内では初めてのケースだ。自らのふるさとに還元するという意味で、地方で音楽フェスティバルを開催したりするミュージシャンは少なくないが、こうした形で地方を後押しするのは、ミュージシャンによる新たな社会貢献のあり方を提示したといえよう。故郷を愛し、その美しさや素晴らしさを優しい音楽で伝えるカサリンチュが、同コラボ企画を通じてどんな成果をもたらすのか、注目したいところだ。

 なお、カサリンチュの『故郷(ふるさと)』の発売を記念した特設サイト「みんなの故郷(ふるさと)はどこですか?」もオープン。こちらはそれぞれの故郷への想いを投稿するサイトとなっており、新年度が始まり新しい環境での生活がスタートするこの季節、故郷を離れる人や戻る人、新たな場所が故郷になる人などから、 様々な“故郷エピソード”を募集している。

(文=松下博夫)


■リリース情報
『故郷』
発売:2015年4月29日
【初回生産限定盤】
ESCL-4422 ~ ESCL-4423 ¥1,389(税抜)
〈収録曲〉
1.故郷
2.あなたの物語
3.カーテンコール
〈DVD〉
1.故郷 Music Video
2.タイムカプセル~ダンスダンスぐりぶー

【通常盤】
ESCL-4424 ¥1,111(税抜)

http://www.kasarinchu.com/

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