1stミニアルバム『夜が終わり』インタビュー

Chapter lineが目指す、四つ打ちロックの新たな段階「ノレるけど、歌詞が刺さるバンドでありたい」

「前向きな応援歌は正直好みではないんです」

Chapter line「大言壮語の逆襲」(Full Ver.)

——例えば「大言壮語の逆襲」なんかは、いわゆる速いテンポの四つ打ちダンスロックの曲です。こういう曲調になったのは?

小浦:曲作りの中でライブを意識して作ったところもあるので、単純にノレる、踊れるっていうのはコンセプトになりました。ベース藤が加入してから結構バンドがガラッと変わって、前までは聴かせるライブというか、弾き語りの名残が残っているバンドだったんですけど、藤が加入してからは「そろそろ攻め攻めのライブをしていきたいね」となって。どんどん速い曲、テンポのいい曲が出て来て、その中で突き詰めて「もっとノレる曲」となって「大言壮語の逆襲」ができたんです。

——ノレる曲、踊れる曲っていうのはライブの場でお客さんを意識して生まれたもの?

小浦:そうですね。ライブなので僕らも楽しんでほしいというのがあったし、もちろん周りも意識します。だからと言ってずっとワーワーやっているだけのバンドにはなりたくないんで、それだけにはならないようにしてます。

——だって、踊れる曲って、ダフト・パンクは「ゲット・ラッキー」だしファレル・ウィリアムスは「ハッピー」なんですよね。でもChapter lineの曲名で「ハッピー」っていう曲はありえない。あったとしてもその裏側の意味になりそう。

小浦:そこも自分たちらしさなのかなとは思います。

——そういう、辛い時に救いになるようなものを作るっていうのは、どういう心づもりなんでしょう。

小浦:自分に対して、もう一人の自分が呼びかけているような意識ですね。自分だけのことじゃなくて、歌っていることが他人のことになるような意識もあります。自己満足にならないようにしている。やっぱり人に聴いてもらって曲が完成すると思っているので。

——お父さんがフォークデュオをやっていた、そのオリジナル曲は内向的なものでした?

小浦:親父のは、ハッピーでしたね(笑)。

——じゃあその影響ではない。

小浦:絶対にそれではない(笑)。

——なぜ自分にそういうメンタリティが生まれたんでしょうか?

小浦:単純に映画だったり小説だったり、そういう作品が単純に好きなんですよね。たとえば、小説だと伊坂幸太郎が一番好きで、すごくリアルだと思う。

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