亀田誠治と横山剣が明かす、サビに欠かせない3要素とは 亀田「音の高低差がドラマを生む」

昭和っぽい音=「Aメロ→Aメロ→サビ→Aメロ」?

 番組後半では、応用編として<曲の構造内でのサビ>をもとに講義が行われた。亀田が「J-POPの基本構造はAメロ→Bメロ→サビと紹介したが、Aメロ→Aメロ→サビ→Aメロというものも多い」と、ヒット曲の構造には様々なパターンがあることを語り、いしだあゆみの「ブルー・ライト・ヨコハマ」を紹介。横山が同曲について「Aメロがサビを兼ねるくらいに強いメロディ。Aメロでは俯瞰的に見せて、サビで曲の情景がズームする」と語ると、亀田は「サビの1行目で3つの要素全てが達成されている。Aメロはメロディが強いけど盛り上がっていない。横山さんの言ったような景色や心情の変化は、昭和の名曲に多く、僕も昭和風・レトロな感じにしたいときにこの構造を使う」と、Aメロとサビの役割、そして効果的な使い方を明かした。

 番組の最後では、亀田が「サビは感動を生む場所で、曲の一番大事なところ。今後も若い世代から良いサビが生まれてくることを願います」と語ると、同番組が今回で最終回を迎えることについて「音楽は楽しいもので、僕らを一瞬にして幸せにしてくれる魔法を持っている。日本人は長い間時間をかけて、繊細なJ-POPの魔法を学んできましたが、実はまだまだ魔法があります!」と、次シーズンを待望する声で締め、番組が終了した。

 そのほか、亀田が音楽にまつわる場所を探訪する「亀さんぽ」というコーナーでは、前週に引き続き、日本で唯一のレコード工場・東洋化成を訪れた今回の放送。音楽についての学びを視聴者に与え、J-POPに新たな視点を加えた同番組の、次シーズンを楽しみに待ちたい。

(文=向原康太)

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