亀田誠治とmiwaがシングアロングの魅力を解説「日本人が大事にしている繋がりや絆を感じる」

 音楽プロデューサーの亀田誠治がJ-POPのヒット曲を分析するテレビ番組『亀田音楽専門学校 SEASON 2』(NHK Eテレ)。10月23日放送分では、ゲストのmiwaとともに「お客様もアーティストです!」をテーマに講義を行った。

 冒頭、亀田は「誰もがアーティストになれてしまう曲がある」として、サザンオールスターズ「東京VICTORY」、ナオト・インティライミ「The World is ours!」、ウカスカジー「勝利の笑みを 君と」、SMAP「Top Of The World」、miwa「君に出会えたから」を挙げた。その理由について亀田は「今聴いた曲たちには、お客さんが歌ってくれて初めて曲が成立する。これを僕らは“シングアロング”と呼ぶ」と解説。miwaは自身の楽曲「君に出会えたから」で、シングアロングを取り入れており、その理由について「夏フェスに向けて作った曲。フェスは私のお客さんだけじゃなくて、私のことを知らないお客さんも沢山いるから、みんなで歌って盛り上がりを作れるんじゃないかと思って」と明かした。

祭事に関連する楽曲にはシングアロングが多い?

 亀田は、今年は特にシングアロングを使った楽曲が多いと語り、東京オリンピック開催決定とワールドカップ開催という出来事がその現象に関係していると解説。続けて「スタジアムなどで応援する時にはシングアロングする必要があるから」と、応援ソングにはシングアロングを入れることが多いことを述べた。

 続けて亀田は、miwaの「フェスを意識して作曲した」という言葉について「フェスってさ、色んな人が色んなアーティストを見にくるけど、そういう時にこういう曲があると、一緒に歌って一つになって、そのアーティストのことを好きになっちゃう。歌詞が『Oh』というシンプルな言葉だから、音が変わってもついていけるし、『Yeah』という掛け声も、1回目をミスして2回目でタイミングが合ったりすると格好良くない?」と、リスナーの層が幅広い場においては、シングアロングを使った間口の広い楽曲が新規ファン獲得に有効だと語った。

 また、亀田は合唱しやすい曲の定義として「自分の歌いやすいキーで歌える」ことを挙げ、「メロディーが層になるから、スタジアムで合唱が起こって広がると、みんなが一つになっている感じがする」と、観客が歌って初めて曲が完成するということを解説した。

 続いて、シングアロングに向かない曲として由紀さおり&ピンク・マルティーニ「夜明けのスキャット」、さだまさし「北の国から」を挙げ、その理由として「『夜明けのスキャット』はメロディーがマイナーだから。『北の国から』はテンポがゆっくりでメロディが細かいから」と説明。シングアロングを使う楽曲についてもメロディの作り方が重要であると明かした。

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