3rdアルバム『The flower of dim world』インタビュー

ニコ動No.1歌姫 ユリカ/花たん、新作を語る 「“流行りの曲、歌い方”は、ちょっと苦手です」

「“この音は出ないだろう”という難しい曲の方が、気合が入ります」

――そんななか、11年に1stアルバム『Flower Drops』でメジャーデビュー。今作は3枚目のアルバムで、ロックとメタルをフィーチャーした刺激的な作品になっています。1曲目の「泡沫の砦」をはじめ、これまでもコラボレーションを重ねてきたOSTER projectの書き下ろし曲が4曲収録されていますが、どの曲も音域の幅が広く、メロディの動きが独特で歌いこなすのが難しそうです。

花たん:とても難しいです! でも、そっちのほうがやる気が出ますね。例えば「この音は出ないだろう」っていう高音のパートがあっても、それにチャレンジするのが好きなんです。OSTERさんの曲は、特に気合いが入った歌い方になっていると思います。「泡沫の砦」は壮大なイメージで盛り上がる楽曲なので、すぐに一曲目にしたいと思いました。

――ギターサウンド全開のハイテンションなロックチューン「Live with a ghost mind」も、このアルバムを象徴する1曲です。こちらはホワイトスネイクなどにも参加した世界的ギタリスト、ダグ・アルドリッチ氏が作曲を担当していますね。

花たん:母が世代なので、大興奮でした(笑)。邦楽とは違う、洋楽のロックですよね。「これが歌えるのかな」と不安な部分もありましたが、洋楽っぽく、カッコよく歌えたと思います。田村直美さんの歌詞も、80年代のロックっぽくてカッコいいです! いまっぽい言葉ではないので、歌うときちょっとだけ恥ずかしかったですけど(笑)。

――シンガーソングライター・天野月さんの提供曲「CRITICAL ERROR」は歌が前面に出ていて、持ち味の伸びやかな高音が印象的でした。

花たん:天野さんの曲を歌わせていただくのは3曲目で、いつも「どんなイメージの曲にしますか」とやりとりしています。それで、今回は「花たんのファンが好きになってくれるような楽曲を作りました」って。天野さんは尊敬する歌手で、私のことをすごく考えてくださるし、期待に応えたいというプレッシャーは大きいですね。聴き手の方も好きと言ってくれるので、いつもうれしく思っています。

――そしてカバー曲ですが、先ほどもお話に出た「光と影を抱きしめたまま」や、『ドラゴンボールGT』のEDテーマ「Blue Velbet」(工藤静香)など、懐かしいアニメ主題歌も収録されました。

花たん:特にアニメ縛りではなかったんですが、自分がよく観ていたアニメで「この曲はカッコいい!」という4曲を選ぶことになりました。カラオケで歌い慣れていたので、収録も早かったですね。歌手になろうと思っていたわけではないのに、当時から「自分だったらこう歌う!」というこだわりがあって(笑)。自分が好きなオリジナルの細かいクセの部分は取り入れさせていただきつつ、丁寧に歌いました。

――今回はご自身の書き下ろし曲も2曲収録されています。

花たん:自分で曲を作ってみないかと言われて、最初はソフトを使ってきちんと作ろうと思ったんですけど、結局、鼻歌を収録して「後はお願いします!」になりました(笑)。8曲目の「餓えた野獣」は、私がいますごくハマっている『弱虫ペダル』という漫画に登場する、荒北靖友という大好きなキャラクターをモチーフにしています。その思いだけで作ったので、自分が歌うことをすっかり忘れてしまっていて、キーがすごく低いんです(笑)。

――キャラ愛が勝ってしまったと(笑)。一方の「アネモネ」は、歌い上げるタイプの壮大なバラードです。

花たん:最初はラプンツェルをモチーフにした恋愛ソングをと考えていたのですが、書き進めるにつれて、病んでいる女の子の曲になってしまいました(笑)。でも、もともと物語のある歌詞や曲が好きなので、これも好きかもって。歌としては、中音域から一気に高音域に進む、自分らしく歌える曲をイメージしました。

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