「個人情報が流出しました」そのメール、本物? “お詫び”を装う偽メールの手口と対処法

“お詫び”を装う偽メールに注意

 「【重要】お客様の個人情報流出に関する緊急のお知らせとお詫び」。こんな件名のメールが突然届いたら、何が漏れたのか確かめたくなるだろう。差出人欄には、実在する会社のメールアドレスまで表示されている。ところが、送信したのはその会社ではなかった。(※1)

 2026年10月に入り、国内企業で個人情報の漏洩や不正アクセスの発表が相次いでいる。

 So-netを運営するソニーネットワークコミュニケーションズは27日、So-netとplala(Sコース)の会員情報計約258万件が漏洩したと発表し、対象者には個別にお詫びの連絡をすると説明した。(※2)

 情報漏洩が発生すると、企業から利用者に通知が届く場合がある。しかし、その通知を装って個人情報を盗もうとする偽メールが確認されている。

 東京都多摩市も10月22日、返金を口実に銀行口座の情報を求める手口について注意を呼びかけた。(※3)

 もし自分のもとに届いたら、本物かどうかをどう確かめればよいのだろうか。

東京都多摩市が公開した、情報漏洩のお詫びを装うフィッシングメールへの注意喚起(画像=多摩市公式サイトより)
東京都多摩市が公開した、情報漏洩のお詫びを装うフィッシングメールへの注意喚起(画像=多摩市公式サイトより)

「再設定」「返金」を口実に、偽サイトへ誘導

 情報漏洩のお知らせを装う偽メールは、受け取った人を不安にさせ、パスワードや銀行口座などの情報を盗もうとする。

 たとえば、「本日中にパスワードを再設定してください」と手続きを急がせたり、「返金するために口座情報が必要です」と案内したりする。メール内のリンクから本物そっくりの偽サイトへ誘導し、入力された情報を盗み取る。こうした手口を「フィッシング」という。

携帯電話会社や宅配業者を装い、偽サイトへ誘導するメッセージの例(画像=警視庁公式サイトより)
携帯電話会社や宅配業者を装い、偽サイトへ誘導するメッセージの例(画像=警視庁公式サイトより)

 盗まれたIDやパスワードはアカウントへの不正ログインに、クレジットカード情報などは金銭被害につながるおそれがある。

 こうした偽の案内は、メール以外にも届く。筆者にも、Appleを装ったSMSが届いた。「Apple IDが別の端末で決済処理に利用された」として、リンク先での確認を求める内容だ。情報漏洩の通知とは異なるが、不安をあおってリンクを開かせようとする点は共通している。

Appleを装い、別の端末での決済を知らせるSMS。リンク先での確認を求めている(画面キャプチャ=リアルサウンドテック編集部)
Appleを装い、別の端末での決済を知らせるSMS。リンク先での確認を求めている(画面キャプチャ=リアルサウンドテック編集部)

 サイバーセキュリティ対策などに取り組む情報処理推進機構(IPA)は10月26日、個人情報が漏洩した人に向けた対処法を公表した。(※4)漏洩した氏名やメールアドレスが別の詐欺に使われ、自分の名前が書かれた偽メールが届く可能性もあるという。宛名が正しいからといって、本物とは判断できない。

送信元のアドレスが正しく見えても信用しない

 警察庁によると、メールに表示される差出人の名前やアドレスは簡単に偽装できるという。(※5)実在する企業のメールアドレスが表示されていても、それだけで本物とは判断できない。

 企業のロゴや本物そっくりのウェブサイトが使われることもあり、見た目だけで偽物を見抜くのは難しい。

 では、情報漏洩の通知が届いたら、どうすればよいのだろうか。

 まず、メール内のリンクは開かず、普段使っている公式アプリや、ブックマークに登録した公式サイトから情報を確認しよう。情報漏洩に関する発表が見つからない場合は、公式サイトに掲載された窓口に問い合わせる。メールに書かれた電話番号にも、そのまま連絡しない方がよい。

うっかり開いたら? 情報を入力した場合は?

 IPAが2025年8月に公開した解説によると、フィッシングメールは開いただけなら基本的に被害は発生しない。リンク先の偽サイトを表示しても、情報を入力したりアプリをインストールしたりしていなければ、通常は被害につながらないという。(※6)不審な添付ファイルは開かず、画面に従って操作を続けないようにしよう。

 パスワードを入力してしまった場合は、公式サイトや公式アプリから速やかに変更する。ログインできない場合は、サービス提供元に連絡し、復旧の手続きを進めよう。同じパスワードをほかのサービスでも使っていれば、そちらも変更が必要だ。

 クレジットカード情報を入力した場合は、カード会社に連絡し、不正利用の確認や利用停止、再発行について相談しよう。銀行口座の情報を入力した場合も、金融機関に連絡して対応を確認したい。

 情報漏洩の通知が本物なら、パスワードの変更などが必要になることもある。メールに書かれた案内をそのまま信用せず、公式サイトで事実を確かめ、必要な手続きを進めよう。

参考
※1 https://www.ebase.co.jp/news/detail.html?id=t000100002270
※2 https://www.so-net.ne.jp/info/2026/20261027_0001.html
※3 https://www.city.tama.lg.jp/kurashi/soudan/shohi/1021566.html
※4 https://www.ipa.go.jp/security/anshin/attention/2026/mgdayori20261026.html
※5 https://www.npa.go.jp/bureau/cyber/countermeasures/phishing.html
※6 https://www.ipa.go.jp/security/anshin/attention/2025/mgdayori20250828.html

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