コーデに合わせて着せ替えも可能 『Beats 360』はお洒落さとモニター風サウンドを両立した名機だ

今秋にBeatsからワイヤレスヘッドホンの新製品『Beats 360 オーバーイヤーヘッドフォン』が発売された。オーディオ好きに話題となっているこのモデルについて試聴インプレッションを交えてお届けしたい。
発表会リポートでも紹介した通り、『Beats 360』は本体の仕上げをカスタマイズできるのが特長で、本体カラーが4色(ブラック、クラウド、ピンク、スカイ)、交換用イヤーパッド『Beats 360 クッションキット』は素材違いで合計8色(Performance Knit素材がブラック、クラウド、ピンク、スカイ、ネイビー、ボルト、Ultra Plush素材はブラックとクラウド)をラインナップし、自由な組み合わせを楽しめる。beatsの発表では256通りが可能とかで、自分のセンスを活かして、ファッションやコーディネートに応じた選択ができることになる。

ヘッドホンのデザインや色の重要性を再認識
参考までに、Performance Knitはアスレチックシューズやスポーツウェアにインスピレーションを得て開発されたニット素材で、通気性に優れていることと、フィット感のよさがポイントだそうだ。もうひとつのUltraPlushは多くのヘッドホンでも使われているレザー系の素材で、密閉性が高いことから、より音に集中できるはずだ。
今回は本体カラーにスカイ、クッションパッドはPerformance KnitのネイビーとUltra Plushのクラウドを借用して、その組み合わせを試してみた。といっても仕事ではチノパンと無地のシャツ、普段着はデニムとTシャツというシンプルな生活を送っている身としては、それほどセンスのいい着こなし(?)ができているわけではない。
ただ、普段はヘッドホンにまったく興味を示さない家内が「そのヘッドホン可愛いね」と言ったり、「今日の服の色なら、こっちの組み合わせの方がいい」と色選びに意見してきたりするわけで、やっぱり家電のデザインとカラーコディネートは女性には重要だったんだと再認識した次第。その点をアピールしてきたbeatsの目の付け所はさすがというしかない。

密度の高いサウンドで、ノイズキャンセリングの効果も明瞭
さて、そんな『Beats 360』の音質はどうなのか? まずはiPhone16とペアリングし、Apple Musicで音を聴いてみた。『Beats 360』はBluetoothコーデックのAACとSBCに対応しているが、この組み合わせではAAC接続の音を聴いていることになる。
藤井 風の「You(feat.UMI)」を再生すると、冒頭の打ち込みがやや重たい印象はあるが、音の輪郭は明瞭でキレ感がある。藤井 風とUMIのボーカルもクリアーに聴こえてきて、声の重なりも心地いい。すっきりとヌケのいい音場という感じではないが、密度が高いモニター風の音と思う。
空間オーディオからQUEEN「地獄へ道づれ」を聞く。フレディ・マーキュリーの声は頭内定位になるが、楽器の音やエコーの移動感は結構明瞭に出てくる。空間オーディオのサウンドデザインを手軽に感じ取れるのはいい。なお空間オーディオはiPhoneの「設定」でパーソナライズを行うと効果が結構変わるので、ぜひ試していただきたい。

イヤークッションの素材によって、音の聴こえ方も変化した
続いてクラシックからジョン・ウィリアムス指揮:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の「帝国のマーチ」を選んでみる。ベルリン・フィルらしい正確なテンポ、力強い演奏が再現されるが、僕のイメージからするとホールがやや小さめな気もする。ノイズキャンセルをオフにすると印象が変わるので、このあたりは好みで選ぶべきだろう。
Macbook Airとペアリングして、CDからFLACでリッピングしたマイケル・ジャクソン「Bad」を聴く。これも切れが良い方向で、拍手のキレ感、楽器の細かな残響描写など情報が多い。低域の腰も座ってきた印象で、ロック・サウンドにはこれくらいの力強さがあるといい。
ここでクッションパッドをPerformance KnitからUltra Plushに交換してみた。レザー素材ということで、やはり耳に密着する印象があり、心なしか外来ノイズも抑えられた気がする。「Bad」は楽器の残響感などの細かい情報が増える方向で、より分析的に聞こえてくる。ノイズキャンセリングをオフにすると、やはり空間が広くなる。室内のうるさくない環境で音楽に浸るなら、Ultra Plush+ノイズキャンセリング・オフもお薦めだ。

ノイズキャンセリング効果の調整ができるとベター
それもあり、全体を通して気になったのは、ANC(アクティブノイズキャンセリング)がやや強めに感じられること。『Beats 360』は9つのマイクを搭載し、イヤーカップの外側と内側のノイズを検出して最適なキャンセリング効果を加えているとのことだが、音を鳴らしていない状態でも暗騒音を抑えようとしている印象もある。
そのため音がやや整理されるような部分もあって、室内などの比較的静かな環境ではANCオフの音が好ましく感じられることもあった。もちろん屋外で使う場合にはアクティブノイズキャンセリングは必要だし、効果はかなり優れているので、キャンセリングの強さを数段階準備して、ユーザーが選べるようにしてもらいたいと思った(アプリから設定できればOK)。
beatsはAppleグループのブランドということもあり、最後に『Air Pods Max2』との違いも確認してみた。『Air Pods Max2』は税込89,800円と、『Beats 360』の1.5倍ほどの価格にはなっているが、5色(ブルー、パープル、ミッドナイト、スターライト、オレンジ)の本体カラーを準備してファッション性にも配慮するなど、目指している方向は似ていると思ったのも一因だ。

『Air Pods Max2』と『Beats 360』のどっちが好み?
聴き比べてみると、両モデルの音の方向性は結構違っていた。『Air Pods Max2』(ノイズキャンセリングはオン)では、藤井 風やUMIの声のヌケがさらに自然で、管楽器も伸びやかに響く。「帝国のマーチ」でも自然なホール感が描き出されている。『Beats 360』がダイナミックレンジを欲張らずに、音を聴きやすく整理している印象なのに対し、『Air Pods Max2』はもっとオープンで心地よさを狙っているように感じられる。
同じAppleファミリーでも案外音の志向に違いがあることが分かったのも、面白い体験だった。
■参考情報
商品名:ワイヤレスヘッドフォン
型名:『Beats 360 オーバーイヤーヘッドフォン』
価格:59,800円(税込)商品名:交換用イヤーパッド
型名:『Beats 360 クッションキット』
価格:8,900円(税込)https://www.beatsbydre.com/jp

























