松丸亮吾が語る、尽きない“ポケモン愛” 夢の謎解き制作に「人生報われたなと思いました」

松丸亮吾の尽きないポケモン愛

 「ポケモンで謎解きができるというのが夢でしたね」。謎解きクリエイターの松丸亮吾は、東京・日本橋、八重洲で開催中の『伝説のポケモンと出会う レジェンドリサーチ in日本橋&八重洲』(9月9日〜11月29日)で、謎解きの問題制作を一人で手がけた。

 ポケモンを知らない人も、長年のファンも楽しめるよう、仕掛けやヒントに工夫を凝らしたという松丸。ジグザグマへの愛情、ポケモンを通じて広がった交友関係、カードゲームで挑戦を続ける理由――謎解きに込めた思いを入口に、その人生を支えてきた「好き」の力と、30周年を迎えたポケモンの魅力を聞いた。(編集部)

「誰でも楽しめる」が大前提 謎解きに込めたポケモン愛

――先ほど、オープニングイベントが終わったばかりですが、松丸さんの高揚した様子からも人一倍思いのこもったプロジェクトであることが伝わってきました。

松丸亮吾(以下、松丸):あとに回せる仕事は全部あとに回して1カ月間ポケモンと向き合って作った作品なので、ようやくみなさんに楽しんでいただけるのが嬉しくてしょうがないです。

松丸亮吾

――自分もこれからポケモンたちを探しに行く予定ですが、街を歩いてポケモンを探す体験そのものが、思い出になりそうですね。

松丸:ポケモンと謎解きの相性がすごくいいなと思っています。ポケモンって、歩いてポケモンと出会って、自分だけの冒険を紡いでいくじゃないですか。謎解きもスタート地点があって途中で難しい問題という困難がありながらも、自分でひらめいてレベルアップしてゴールまで行く、というのがポケモンの体験に近い部分があるので。ポケモンで謎解きができるというのが夢でしたね。

――松丸さんが代表を務める「RIDDLER(リドラ)」では、「ナゾトキポケカ」や、“キャプテン松丸”として『ポケモンとどこいく!?』(テレビ東京系)内で放送されている「ひらめけ!アニポケ謎解き」など、「ポケモン×謎解き」のコンテンツを制作されてきました。

松丸:謎解きの制作は基本3〜4人、多いと10人くらいのチームで問題を作ることが多いんです。今回は会社のみんなに説明して、合意してもらったんですけど、「これは松丸一人で作った方がいい」という話になり、問題制作は僕一人で担当させていただきました。ポケモンらしさが反映されているかのチェックは、ポケモン好きなリドラの社員に見てもらっています。

――問題制作のために、『ポケットモンスター 金・銀』から『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』までの全シリーズを再プレイされたそうですね。

松丸:めちゃくちゃ大変でしたね。

――そういったところも謎解きの物語性に組み込まれている?

松丸:はい。各謎解きは全てポケモンシリーズに絡めた作品になっています。例えば、ホウオウ・ルギアの謎は、『ポケットモンスター 金・銀』のあるシーンが関係していたり、といった仕掛けが随所に散りばめられています。ポケモン好きな人は、暗号に秘められたポケモンの世界を体験してもらうのがより深い楽しみ方ではあるんですけど、特に気をつけたのは、ポケモンをそこまで遊んでいない、これからポケモンを遊ぶというようなポケモンの知識がない人でも、最初から最後まで謎解き自体を楽しめるようにすることです。

松丸亮吾

――知識がなくても謎解きを楽しめるのは、参加する上での間口が広いですよね。

松丸:ポケモンを遊んでいて思うのが、どの作品から遊んでもハマれるんですよね。『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』からハマって、『ポケットモンスター 赤・緑』をやりましたという小学生の子たちに会うと、やっぱりポケモンはすごいなと思って。『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』のために今までの作品を遊ぶ必要はないんですよね。シリーズのどこからでも入れるのは、僕がポケモンを尊敬している部分なので、今回の謎解きもポケモン好きだけが楽しめるものではなく、誰でも楽しめるものを作るのがまず大前提にありました。

――例えば、ピカチュウしか知らないような人が今回のイベントに参加して、「これ、ホウオウって言うんだ」と知っていくようなところもあるかもしれないですよね。

松丸:今回、各謎解きの暗号のページの左側がポケモンリサーチのページになっていて、ホウオウ・ルギアに関しての説明が書かれてるんですけど、一部が穴埋めになっていて、そのリサーチをまず完成させるところから始まるんですね。そのためには、ホウオウ・ルギアについて調べなくてはいけないので、「虹色が重要なんだ」「嵐になるんだ」とか、謎を解いていく中で、徐々にポケモンへの理解を得ていく体験もできるかなと思います。

 ポケモン好きな小学生の子とかだと、もしかしたら展示を見なくても穴埋めできてしまうかもしれないなと思って(笑)。でも、それはそれで一緒に行ってる親御さんは「うちの子こんなにポケモンに詳しくて大好きなんだ」と感動すると思います。

松丸亮吾

――松丸さん自身もシリーズを再プレイして、この準備期間でポケモンへの愛は深まりましたか?

松丸:深まりましたね。こんなシーンがあったんだとか小さい頃は意味が分かってなかったけど、大人になるとこのシーンが印象的だなと思うところもありました。今までもポケモンの謎解きは作らせていただいているんですけど、一番の違いは、大人も楽しめるように作ることを重視した点です。子供が観ている番組なので、子どもに分かりやすく楽しく作っているんですけど、今回はポケモン30周年で、僕も30歳で、僕と近いポケモン好きな年代の人もたくさん来てくれると思っています。

 SNSを見ていると恋人同士で来るとか、親子3世代で来るとか言ってくれている方もいるので、どの世代でも分かるというのは気をつけました。大人もハッとする仕掛けだったり、ある程度難易度も担保した作り方が今までと違っています。

ジグザグマの進化に大号泣 ポケモンに求める“相棒”らしさ

松丸亮吾

――松丸さんが好きな伝説のポケモンは?

松丸:僕は『ポケットモンスター ルビー・サファイア』世代なので、グラードン・カイオーガが大好きで作問にも力が入ったんですけど、プレイ時間でいうと『ポケットモンスター ダイヤモンド・パール』も長いので、ディアルガ・パルキアの謎はぜひ遊んでいただきたいです。ゲームを遊んだ方ならきっと気づくであろう、あるトレーナーに関係する要素が詰まっていたりするので、ポケモン好きな方が、そういったところまで気づいてくれたら嬉しいですね。

――自分は『ポケットモンスター 赤・緑』の初代世代なので、フリーザー・サンダー・ファイヤーの“3鳥”が好きなんですけど、今回はいないんですかね……?

松丸:“3鳥”は伝説のポケモンとは別で立像ではないんですけど、アートとして埋め込まれている場所があります。足跡もあったはずです。ぜひ探してみてください。

――探してみます。松丸さんの過去のインタビューを拝見したのですが、一番好きなポケモンはジグザグマということですね。

松丸:ジグザグマ、あとはヒバニーが好きですね。『ポケットモンスター ルビー・サファイア』の時、ジグザグマが好きすぎて、マッスグマに進化して僕大号泣してしまったんです。あんなジグザグで可愛かったのに、真っ直ぐな子になっちゃったって。だから、ジグザグマを進化させずにキャンセルし続けて、レベル100で殿堂入りする縛りプレイみたいなことをやっていましたね。

――ジグザグマのどんなところに惹かれたんですか?

松丸:完全にジグザグマのフォルムと見た目に惹かれました。あと、特性の「ものひろい」も可愛くて。一緒に歩いてると道具を持ってくるんですよ。図鑑を見たら、好奇心が強くてジグザグ歩きをしちゃって、ものがあると拾ってトレーナーに持ってくるって、なんて可愛いんだと思って、それで好きになりましたね。

松丸亮吾

――ポケモンを好きになる基準は「一緒に暮らしたい」というところにあるとのことですね。

松丸:相棒らしさみたいなのが好きで、ヒバニーが進化したエースバーンと肩を組むのが夢だったんです。それがこの間、叶って。

――『ポケモンJリーグスペシャルフェス』での様子が『ポケモンとどこいく!?』で放送されていましたね。

松丸:そうなんです。応援ポケモンでエースバーンがいて、肩を組んで一緒に写真撮って泣きそうでしたね。夢が叶ったと思って。一緒に冒険する時に隣同士というのに憧れがあって、バディという意味で好きですね。

――ジグザグマとエースバーンの好きはちょっと違う?

松丸:ちょっと違いますね。ジグザグマは「よく拾ってきたね!」ってかわいがりたい。エースバーンは一緒に冒険したいという意味での好きですね。

本郷奏多、佐藤健……ポケモンを通じて広がった交友関係

松丸亮吾

――少し話は変わりますが、ポケモンを通じて交友関係は広がったりしましたか?

松丸:僕は芸能界であまり友達ができなかったタイプだったんです。何を話していいかわからないし、“陽”ではないので、家でゲームしてたいみたいなタイプだったんで。本郷奏多くんと会った時にポケモンの話ですごく盛り上がって、レインボーの池田(直人)さんとか、あばれる君。芸能界で仲良くしてる人はみんなポケモンがきっかけで仲良くなったので、感謝しています。

 小さい頃から、ポケモンのコミュニティを通じて仲良くなった友達がいたので、そういう意味ではポケモンに支えられてるなと思います。

――ポケモンが共通の話題というか。

松丸:ポケモンのゲームの思い出の話をするだけで、あっという間に飲みが終わりますからね(笑)。

――先日も『ポケどこ』で共演しているあばれる君、髙橋ひかるさんと3人で飲みに行ったとInstagramに投稿されていましたね。

松丸:『ポケどこ』の3人で、2カ月に1回ぐらいのペースで、定期的にご飯に行ってます。3人それぞれの持ち回りで、今日はあばれる君の店、今日はひかるちゃんの店、今日は僕の店みたいに。

――放送が始まって、もう5年目ですもんね。

松丸:あっという間だなと思います。『ポケんち』(『ポケモンの家あつまる?』)から『ポケどこ』に変わってもいろんな人が応援してくれていて、僕がポケカで戦ってるのを見て「ポケカ始めました」とか、あばれる君がポケモンバトルしてるのを見て「ゲーム攻略を見るようになった」とか、そういう話を聞くといろんな人に影響を与えてるなと思います。

松丸亮吾

――先日はポケモンの世界大会で実況を務めていましたが、そこで佐藤健さんと現地で合流して一緒に観戦していたというのが話題になっていました。

松丸:健さんと一緒に行ったわけではなく、ポケモン好きって集まるよねって(笑)。「いるかな、健さん」と思って連絡したら、「今いるよ。2階のここにいるから」って言われて、「写真撮ろうよ」ってなって。

――サンフランシスコで会うというのがまたすごいですよね。

松丸:健さんも仕事があるわけではなく、プライベートで来てたので、健さんのポケモン愛はすごいなと思います。

――今回のイベントも、“ポケだち”みんなで楽しんでほしいですよね。

松丸:そうですね。伝説のポケモンたちに出会って、簡単な謎解きだとちょっと伝説感がないので、ハードルを乗り越える瞬間の経験値というか、成長する感じは大事な体験になると思って作っています。

 今回ヒントサイトは、A4用紙40枚分くらいを書きました。それは難しいから長くなったわけではなく、簡単に説明することもできてしまうんですけど、そうするとせっかくのひらめきを奪ってしまうので、小出しにして段階的に見られるように作りました。ヒントを使ったから解けるというよりかは、ヒントを使うといい感じに手助けしてくれる作り方にしたので、ガンガンヒントを見て楽しんでほしいなと思います。

「コミュニティ・競技性・愛」 松丸亮吾が考えるポケモンの魅力

松丸亮吾

――最後に少し大きい質問になってしまいますが、松丸さんにとってポケモンの魅力というのはどういったところにあると思いますか?

松丸:本当にいろいろありますけど……3つ挙げるとしたら、まず1つは人と人を繋げてくれることですね。ポケモンが好き、というそれだけで仲良くなれる人がいっぱいいて、ポケモンがいなかったら出会えなかった人、体験がいっぱいある。そこが魅力だなと思います。

 もう一つは自分の限界に挑戦できる競技性です。僕はポケモンカードをただ遊んでるだけではなく、大会にも出ているんですけど、自分の勝敗を分析したりして、めちゃくちゃ頭を使うんですよね。それは大事な体験で、今は何も考えずにただボーッとしてる時間が増えてしまっているし、そういったコンテンツも増えている。ただ、流し見してたら時間がどんどん溶けていくみたいな。

――分かりやすさが求められている。

松丸:そうなんですよね。短い動画を見てたら1日終わったみたいなのがあったりすると思うんですけど、ポケモンの競技性は必死で考えて、強くなるために努力する、そのハウツーを教えてくれるんです。人として成長できる部分もポケモンの魅力だなと思います。強い人って頭がいいんですよ。子供たちがポケモンを極めれば極めるほど、僕は思考力が高まっていくんじゃないかなと期待しています。

 3つ目は愛ですね。ポケモンを通じて何かを愛おしいと思うこと、その愛を語る。僕はこのポケモンが好きで、そのポケモンもいいよねというふうに、お互いの愛を認め合えるのは素敵なことだなと思います。コミュニティ・競技性・愛が、僕の考えるポケモンの魅力ですね。

松丸亮吾

――以前、松丸さんが「好きを貫き続けて本当に良かった」とポストされていましたが、今回の『レジェンドリサーチ in 日本橋&八重洲』も好きを貫き続けてきたからこそ結実したイベントだと感じます。

松丸:今回のお話をいただいた時に、即決で「やります!」と言ったんです。こんなのもう僕のためというか……びっくりしました。僕が営業をかけたり、資料を作ったりしたわけではなく、ポケモンのみなさんが謎解きを仕掛けたいと思ってくれたことも嬉しいですし、その制作者として僕を選んでくれたことも嬉しかったです。人生報われたなと思いましたし、だからこそいろんな人に体験してほしいですね。

松丸亮吾のポケモン愛が詰まった謎解き 「レジェンドリサーチ」日本橋・八重洲の街を歩く

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