世界一の携帯電話評論家・山根康宏のスマホ進化論(第40回)

フラッグシップモデルの魅力が身近に? AIとカメラを強化した『Galaxy S26 FE』日本発売への期待

 高性能なフラッグシップスマートフォンはもはや一部の人だけのためのぜいたく品ではない。大画面で動画を楽しみ、遠くの被写体をくっきり撮り、撮った写真や動画をAIで仕上げ、日々の情報整理まで任せる。そんな最新スマートフォンの楽しさをより多くの人に届けようとするモデル『Galaxy S26 FE』がサムスンから海外で発売された。

海外で発売されたGalaxy S26 FE

フラッグシップの体験を身近にする

 『Galaxy S26 FE』は、2026年2月に発表されたサムスンのフラッグシップスマートフォン「Galaxy S26」シリーズ3機種に加わるモデルだ 。Galaxyのフラッグシップ体験をより多くの人に届けるモデルとして、価格と性能のバランスを重視している 。6.7インチのディスプレイ、光学3倍望遠カメラ、サムスン開発のGalaxy AIを搭載するなど、スマートフォンに欲しい機能を日常の中でしっかり楽しめるかたちで詰め込んだモデルである。

 FEという名称のついたモデルはサムスンの製品の中でも、コストパフォーマンスを重視した製品に付けられてきた。性能は高いのに価格は比較的抑えられており、『Galaxy S26 FE』もそのようなスマートフォンなのである。最近主流のAI機能も写真や動画の編集に加え、グーグルのGeminiも利用可能だ。フラッグシップモデルと比べるとさすがに性能は抑えられているが、毎日使うスマートフォンとして”少し気分が上がる体験”を提供してくれる。

 ディスプレイは6.7インチで、大きすぎず、小さすぎず、という絶妙なサイズだ。SNS画面のスクロール、ニュースの閲覧、地図の拡大縮小、写真の見返しまで軽やかに表示してくれる。通勤中に動画を観るときも、旅先で撮った写真を確認するときも、十分な没入感を味わえるだろう。

6.7インチディスプレイを搭載

 カメラは5000万画素の広角、1200万画素の超広角、そして800万画素の3倍望遠からなる3眼構成だ。日常的によく使う広角の画質を高めつつ、日常的によく使う広角を中心に、超広角と望遠も備えている。日々のスナップ撮影から旅行先での思い出の記録まで、広い範囲での撮影をカバーできる。

日常利用には十分な3つのカメラ

生活をアシストする充実のAI機能

 そしてAI機能も『Galaxy S26 FE』の大きな魅力だ。サムスンが開発したGalaxy AIは”スマホの中に自然に溶け込む存在”と感じられるほど、意識せず使うことができる。たとえば「Now Nudge」(ナウ・ナッジ)は、画面に表示している内容や端末に入っている情報を読み取り、次に行うと便利なアクションをそっと提案してくれる。メッセージに書かれた日付を見てカレンダーへの登録を促したり、いま見ている情報に合わせて必要そうな操作を示してくれるのだ。自分からAIを呼び出して指示するのではなく、スマホのほうが先に気付いてくれるのである。

日々の行動をアシストしてくれるGalaxy AIを搭載

 Google Geminiとの連携も『Galaxy S26 FE』を単なる“AI対応スマホ”で終わらせないポイントとなる。調べものをしながら予定を整理する。アイデアをまとめて、メッセージの下書きを作る。複数のアプリを行き来していた作業を、自然な言葉でまとめて進められる。スマホが情報を見るための画面から、考えや行動を前へ進める相棒へ変わっていく。

 そしてAIの魅力を最も体感できるのが写真や動画の撮影後である。カメラを撮るだけの道具で終わらせない『Galaxy S26 FE』なのだ。カメラでの撮影は楽しいが、撮影後の編集作業は面倒で、気付けば撮りっぱなしのデータがギャラリーに溜まっていく、という人が多いのではないだろうか。

カメラの撮影体験をAIが引き上げてくれる

 『Galaxy S26 FE』では、Gemini Omniがギャラリーの写真や動画をもとに、短い動画クリップの作成や編集を支援する。旅行で撮りためた景色や食事、イベントの写真、友人との何気ない動画。それらを選び、短い指示を与えるだけで、音楽や切り替え効果を加えた“見せたくなる動画”へとまとめられる。帰りの電車や飛行機の中で、旅の余韻が残るうちに一本の動画を仕上げ、家族や友人に送る。そんな使い方も現実的になる。

 「My FanCam」も、動画を撮る人には心強い。追いかけたい人物を選ぶと、AIがその被写体を追尾し、映像の中心に残しやすくする。ダンス、スポーツ、子どもの発表会、イベント会場のデモなど、被写体が動き回る場面で力を発揮する。撮影中に画面を見失ってしまう瞬間を減らし、“残したかったのに残せなかった”という失敗を少なくしてくれる。

My FanCam機能はフラッグシップモデルと同じものを搭載

 さらに手ぶれを抑えながら水平を保ちやすくする「Super Steady with Horizontal Lock」も搭載。歩きながらの撮影でも、旅行先の街並みを記録する場面でも、手振れや画面の動きの無い、見やすい映像が撮影できる。

 このように撮るときの失敗が減り、撮った後はAIで整えやすい、この流れを1台のスマホで完結できることが『Galaxy S26 FE』の魅力でもあるのだ。

日本発売も期待がかかる

 バッテリーは4900mAhで45Wの高速充電にも対応する。AI、カメラ、大型画面を備えたスマートフォンは、使いたい場面が多いからこそ、電池残量を気にせず持ち歩けることが重要になる。外出先で写真や動画を撮り、地図を見て、SNSへ投稿し、帰宅後に編集する。『Galaxy S26 FE』は、そんな一日を最後まで楽しむための余力も意識している。

本体のカラバリは3色

 『Galaxy S26 FE』はGalaxy S26シリーズの最上位モデルと同じ機能を持つスマートフォンではない。それでも、大画面、有機EL、120Hz、3倍望遠、Galaxy AI、動画編集支援という、いまスマホに求めたい“楽しい機能”をバランスよく揃えている。最上位モデルを選ぶほどではないが、写真も動画もAIも妥協したくない。毎日触るスマホだからこそ、画面を開くたびに少しわくわくしたい。『Galaxy S26 FE』は、そんな人をGalaxyのフラッグシップ体験へ招き入れる、最初の一台なのである。現時点では日本発売は未定だが、今後のアナウンスに期待したいものだ。

フラッグシップ体験の入り口モデルだ

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