すべての“物流”は結びついている……リアルな街の輸送網を構築するシミュレーター『Transport Fever 3』試遊レポ&開発者インタビュー
『東京ゲームショウ2026』にて『Transport Fever 3』の試遊機会を得た。
本作は物流に注目したシミュレーションゲームだ。街作りゲームは数多くあれど、物を運び、接続していくところをウリにしているのは珍しいだろう。
本シリーズを作り続けてきたURBAN GAMESが開発し、RTSやシミュレーターを数多く販売してきたParadox Interactiveがパブリッシングを行っている、まさに鉄板の座組であり、安定のクオリティに仕上がっていた。
では、早速プレイしていこう。
旅情を感じさせるリアルさと、痒いところに手が届く“機能”の充実
最初に確認すべきは「街のウィンドウ」だ。ここから住民の満足度を確認できる。都市が何を必要としているのかも把握でき、騒音や汚染など、さまざまな問題が起きていることがわかる。
都市の満足度は重要な指標ではあるものの、満足度が下がったからといって即座にゲームオーバーになるわけではない。ただし、満足度が低下すると都市の成長が止まってしまうため、長期的な発展を目指すうえでは無視できない。
次に住民をクリックすると、その人物がどこに住み、どこで働き、どこへ向かっているのかまで確認できる。同じく都市の区分もひと目で把握でき、住宅地区、オフィス地区、商業地区など、それぞれのエリアがどのような役割を担っているのかが明確になっている。さらに建物をタップすれば、その建物に住んでいる人々が何をしているのかまで確認可能だ。これらのウィンドウをチェックし、今この街に何が必要なのか、常に把握しておくのが大事なのだ。
本作では都市と都市を交通網で接続していく。鉄道を敷設し、列車のルートを設定するだけでなく、鉄道の途中には車庫を建設する必要がある。列車だけでなく、船、新幹線、車、飛行機、電車など、多種多様な交通手段を組み合わせて都市を発展させていく。
貨物輸送も重要な要素だ。試遊では石炭を運ぶ貨物列車を運行することができた。乗り物は一人称視点や接写に切り替えることも可能で、実際に列車へ乗り込んだかのような視点で走行を楽しめる。植生もシミュレーターゲームとは思えないほどリアルで、旅情を感じさせてくれる。
公共交通ではトラム(路面電車)も登場する。船では石油を運ぶこともでき、水面の表現も美しく描かれていた。ヘリコプターも登場し、ヘリで人をオイルリグまで運び、働かせるといった人間の輸送も当然行うことができる。
漁業関連の輸送も確認できた。漁業ステーションで獲れた魚を倉庫へ運び、そこからトラックで都市へ配送するという流れだ。倉庫をアップグレードすれば、単純に天日干しするだけでなく、より鮮度を保った状態で魚を扱えるようになる。
ほかにも、石油施設からケミカルステーションへ化学物質を運び、さらにその先へ配送するといった複数段階の輸送も存在する。どこへ何を運ぶのかという予定配送地も確認できるため、複雑な物流網を構築する際にも状況を把握しやすい。
各交通機関の利用率や満足度ももちろん確認できる。たとえば長いあいだ使ったマイクロバスは見るからにボロっちい外見になってしまい、街に入るだけで汚染度を上昇させる。車両を維持するためには、修理施設を建設する必要もあるのだ。
それぞれの輸送手段にはさまざまなグレードが用意されている。ゴンドラから鉄道、さらには駅馬車まで存在しており、駅馬車は効率こそ低いものの、時代を感じさせる交通手段として活躍する。それぞれの都市が求めているものに合わせ、適切な乗り物を選択していくことが重要だ。
実在する車両も多数登場し、いすゞやシトロエンのものも用意されている。一方で、2030年頃までを見据えて予想された「未来の乗り物」も存在する。現実に存在する交通手段と、将来を想像した交通手段の両方を扱えるのが面白いところだ。
道路では左折や右折といったポイントまで細かく設定できる。制限速度は道路の曲がり具合によって変化し、鉄道もどんなレールを敷くかによって速度が変わる。単に道や線路を敷けばよいのではなく、より効率的なルートを考える必要があるのだ。
また、都市にはランドマークも建設できる。白鷺城、自由の女神、オペラハウスなど世界各地を代表する建造物が登場し、建設には必要な資材を鉄道などで輸送しなければならない。さらに建物ごとに異なるボーナスも用意されている。
キャンペーンモードも搭載されており、全8種類のシナリオを用意。それぞれ異なる目標が設定されており、条件を達成しながら攻略していく。初心者はまずこのシナリオをクリアするところから始めると良いだろう。
もちろん、MODにも対応している。『Transport Fever 2』のMODをそのまま利用することはできないものの、『Transport Fever 3』向けへ移植しやすくするためのツールやマニュアルなどは多数用意されているという。さらに発売前からMODDERと協力して制作を進めており、発売直後から大量のMODが利用可能という何とも太っ腹な施策まで打っていた。
この手のシミュレーターにはぜひともあってほしいマップエディターも、当然のごとく搭載している。丘やビーチなどの地形から自由に作成できるほか、都市をプリセットから配置したり、ランダムな接続を作ったりすることも可能だ。完成したマップはアップロードでき、ほかのユーザーに遊んでもらうこともできる。
ここで、開発したURBAN GAMESのシニア3DアーティストであるManu Oehler氏に話を聞いた。
「東京の地下鉄は複雑すぎるから、追加してみても面白いかも」
――開発にはどれくらいの期間がかかりましたか?
Manu氏:6年です。『Transport Fever 2』のアップデートを続けながら、『Transport Fever 3』の開発も始めました。
――『Transport Fever 3』のアピールポイントを教えてください。
Manu氏:プレイヤー自身がゴールを決められるところです。前作ではお金を稼ぐことがメインのゴールにはなっていましたが、今回は住民の満足度など、さまざまな指標があります。プレイヤーによって何を重視するかはそれぞれ異なるので、自分なりの目標を設定して遊んでもらえます。
――今後のアップデートでは、どのような要素を追加していく予定でしょうか?
Manu氏:まだ具体的なプランは決まっていません(笑)。まずはプレイヤーからのフィードバックを見ながら、今後どうしていくか決めていこうと思っています。
――2030年頃の乗り物は、どのようにデザインしたのでしょうか?
Manu氏:リサーチをしたうえで、将来どうなっているのかを予想して作ったものです。たとえば無人の客船や、ソーラーパネルで充電する電気自動車などがあります。
――逆に、ゲーム内で一番古い乗り物は何でしょうか?
Manu氏:駅馬車ですね。1900年代の乗り物ですと、他には蒸気機関車などもあります。
――今後「これを追加したら面白そう」というアイデアはありますか?
Manu氏:地下鉄は追加してみても面白いのではないでしょうか。東京の地下鉄は複雑すぎますから(笑)。絶対に面白いと思っています。
『Transport Fever 3』は、乗り物を走らせるだけでなく、人々の生活や都市の成長まで見据えて交通網を構築していく奥深さが魅力の作品だ。
現実の交通機関から未来の乗り物まで、プレイヤーそれぞれの理想とする都市を作り上げる楽しさに期待したい。