『NTE: Neverness to Everness』成否の分岐点はどこに? “オープンワールドの新しいかたち”を考察

 4月29日、『NTE: Neverness to Everness』が正式リリースされた。

 2024年の発表以降、圧倒的なスケールの大きさ、自由度の高さから、大きな期待を寄せられてきた同タイトル。本稿では、そのゲーム性とリリース前後の取り組みから、『NTE: Neverness to Everness』の独自性、成否の分岐点を考察する。

『Tower of Fantasy(幻塔)』のHotta Studioが手掛ける新作オープンワールドARPG

『NTE: Neverness to Everness』リリース予告|ヘテロシティのラプソディ

 『NTE: Neverness to Everness』は、中国に拠点を置くゲームスタジオ・Hotta Studioが開発を手掛けるオープンワールド・アクションRPGだ。舞台は、「ヘテロシティ」という架空の大都市。この街では、「異象(アノマリー)」と呼ばれる超常現象が発生しており、住人たちはそうした不思議な日常と共生していた。異象の原因とされる「奇点」に対し、鋭い洞察力を持つ主人公で異能者の零はある日、異象ハンター団体・エイボンに新入りの鑑定士として派遣される。プレイヤーは彼の視点から異象をめぐる謎へと迫っていく。

 特徴となっているのは、オープンワールドかつ圧倒的な映像美で描かれたヘテロシティの街並みと、パルクールをベースにした探索アクション、個性豊かな仲間キャラクターの存在、都市での等身大の暮らしにフォーカスした生活シミュレーション要素、最大4人によるオンラインマルチプレイなど。これらのインプレッションから、同タイトルは2024年7月の正式発表以降、動向が注視されてきた。Hotta Studioにとっては、2022年にグローバルリリースされ人気を博した『Tower of Fantasy(幻塔)』に続く、2作目の開発タイトルとなる。前作の経験がどのように生かされていくのかにも注目が集まっている現状だ。

 基本プレイ無料・アイテム課金型で、モバイル(Android/iOS)、PC(Windows/mac)、PlayStation 5に対応する。2026年でも屈指の話題作が、ついにサービス開始を迎えた。

『NTE: Neverness to Everness』はゲーム性を武器に、独自の立ち位置を確立できるか

 さまざまなレジャーによる可処分時間の奪い合いが取り沙汰されることも多い昨今。右肩上がりで成長を続けているゲーム業界では、小規模制作のトレンドと並行して、AAAタイトルの開発も活発となっている。

 2026年に入り、家庭用プラットフォームでは、『ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち』をリメイクした『ドラゴンクエストVII Reimagined』、「仁王」シリーズのナンバリング第3作『仁王3』、「ポケットモンスター」シリーズからの最新スピンオフ『ぽこ あ ポケモン』、人気コミュニケーションゲームからの13年ぶりの新作『トモダチコレクション わくわく生活』、カプコン制作の新規IP『プラグマタ』など、さまざまな話題作が発売されてきた。

PRAGMATA - Main Trailer

 一方、ライブサービスゲームの領域でも、『アークナイツ』の続編『アークナイツ:エンドフィールド』、人気MMORPG『黒い砂漠』を手掛けたPearl Abyssによる新作アクションアドベンチャー『紅の砂漠』などがサービスを開始させており、今後は『NTE: Neverness to Everness』と似た世界観を特徴とするNetEase Gamesの新作『無限大Ananta』や、miHoYoによる「崩壊」シリーズの新作『崩壊:ネクサスアニマ』もリリースを控えている。

 そのような業界動向のなかにあって、上述の作品たちと同等に注目されてきたのが『NTE: Neverness to Everness』である。サービス開始前後の界隈の盛り上がりからも、同タイトルに対する期待の大きさを窺い知ることができるだろう。

無限大 | アナウンストレーラー

 『NTE: Neverness to Everness』の魅力はどのような点にあるのか。必ず触れておかなければならないのが、「オープンワールド」「都市生活」というキーワードだろう。とはいえ、ここ数年のゲーム業界において、オープンワールドの仕組みを採用したタイトルは珍しくなくなってきた。けれども、都市の景観の美しさや、そこで営まれる暮らしをリアルに再現したものはそれほど多くないのではないか。この点こそが『NTE: Neverness to Everness』の独自性の根幹である。

 もちろんゲーム作品としての軸足は、アクションRPGのように敵を倒し、キャラクターを成長させていくことにあるのだが、それと同等、またはそれ以上に、街の景色やそこで暮らす人々の生活を眺めることに面白さが詰まっている。そのようにして描かれた世界のなかで、プレイヤーは歩き回ることはもちろん、車を購入して乗り回したり、自宅を購入して自分だけのインテリアを追求したり、アノマリーハンターとは別の仕事に従事し、そこから報酬を得たりと、自分自身も都市生活の一部となっていくことが可能だ。

 さながらそのゲーム性は、「グランド・セフト・オート」的であるとも言える。しかしながら、買い切り型のパッケージではなく、ライブサービスゲームでそうした遊び心を実現したタイトルは珍しい。そのことが『NTE: Neverness to Everness』が注目される要因となっている。

 また、リリースに合わせて強力なIPとのコラボレーションを大規模に展開していることも、話題性に拍車をかけている面がある。4月18日には、自動車メーカーのポルシェや、Hotta Studioが開発を手掛けた『ペルソナ5:The Phantom X』『Tower of Fantasy(幻塔)』との連携が、正式リリース予告番組のなかで発表された。くわえて、4月25、26日に開催される「ニコニコ超会議2026」にも出展され、会場では、試遊やステージイベント、ノベルティの配布などが行われた。

 こうした一連の施策は、プレイヤーが参入する間口を広げるための取り組みである。これまでは、どちらかといえばコアゲーマーに支持されてきた『NTE: Neverness to Everness』だが、今後は積極的に展開されるさまざまな施策によって、ライト層を巻き込み、あらためてその世界観/ゲーム性で勝負する稀有のタイトルとなっていくのかもしれない。

 おそらく開発/運営がその先に見据えるのは、競合する他のタイトルとは異なる立ち位置の確立だろう。そうした未来図を実現できるかが、『NTE: Neverness to Everness』成否の分岐点となっていくのではないだろうか。

 はたして『NTE: Neverness to Everness』は事前の話題性に違わない評価/成功を掴み取ることができるか。今度の動向を注視したい。

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