誰でも人魚になれる？　TikTokで「AIマーメイドエフェクト」が流行している背景

　いまTikTokでAIによる「マーメイドエフェクト」が流行していることを知っているだろうか。たびたびTikTokはエフェクトを切り口にムーブメントが起きるが、今回は「マーメイドエフェクト」の広がりの背景について考察していきたい。

　まず「マーメイドエフェクト」というのは、アップロードした画像の人物が水のなかに潜ると、一瞬でマーメイドの姿になる。というシンプルなものだ。方法も手軽で、エフェクトを選択したのちに、マーメイドにしたい画像を選んで生成するだけである。

　ここまで流行している背景には、手順の簡単さもあるが、華やかなビフォーアフターを見ることができるという点も大きいだろう。TikTokでさまざまな「マーメイドエフェクト」動画を見てみたが、水中の演出がより華やかさを際立たせているように感じる。

　水面から差す光や南国の海特有のエメラルドグリーンの背景、人魚らしくロングヘアになった髪に光が透けて明るくなっているところなど、一瞬で華やかさを解放してくれるため、短尺でありながら見応えのある動画となっている。

　TikTokには、ほかにもディズニープリンセスになれるような類似エフェクトがあるにはあるのだが、今回流行している「マーメイドエフェクト」は、アップロードした人物の要素をほぼそのまま残しつつ人魚化してくれるので、より“リアルな変身”を見ることができる

　TikTokユーザーは、自身の写真であったり、推しの俳優やタレント、アイドルの画像にマーメイドエフェクトをかけて楽しんでいる人が多いように感じる。そしてこのエフェクトの面白いところは、男性にもしっかりと対応しているということだ。

　男性の場合、無理やり女性の人魚化をするのではなく、ちゃんと男性の人魚としてエフェクトがかけられる。その妙に高クオリティな部分もユーザーにウケている要因ではないだろうか。

　ちょっとした夢を叶えてくれる、今回の「マーメイドエフェクト」。AIは今後使い方も考えていかなければいけない部分も多いが、こうした楽しみ方はAIの良さを活かしたいいコンテンツなのではないかと感じた。AIがSNSでどういった広がり方をしていくのか、向き合い方を模索しつつ探っていきたい。