どんなものでも貫く鋭い矛と、どんなものでも貫けない硬い盾がもし交わったとしたら、どちらが勝利するのか？、という故事が“矛盾”という言葉の由来になったわけだが、“モテ”に絶対の自信を持ち、実際に爆モテ人生を謳歌してきた最強の美男美女たちがもし、その頂点を競い合ったとしたら？ーーABEMAにて絶賛放送中の『ラブパワーキングダム～恋愛強者選挙～』（以下：ラブキン）の内容を一言でまとめると、こんな感じになる。

　恋の舞台はトルコ。16名の恋愛強者たちが共同生活を過ごし、期間中は異性が投票する選挙＝モテVOTEを開催。結果はランキング形式で発表され、暫定で最もモテるメンバーと、そうでない側が丸わかりにされることで、見えてこなかった人間の素性が次々と露わになっていく。なお、ランキングで最下位となったメンバーはその都度で即脱落となるほか、最後に優勝したモテキング／モテクイーンには、その称号と総額500万円もの賞金が。すでに“恋リアの総本山”として、間違いない人気を博している『ラブキン』だが、具体的にその魅力とは？　本稿ではいくつかの要点に絞り、解説していきたい。

元AKB48、現役アナウンサー、バチェラー出身……圧倒的な肩書き誇る美男美女たち

　まずは“恋リアの総本山”より、“恋リアの天下一武道会”と書いた方が伝わりやすいだろうか。メンバー最年長のけいいち（長谷川惠一）は過去に『バチェラー・ジャパン シーズン5』などに出演。今回は、同番組のシーズン4に登場したあやか（中野綾香）も参加しているほか、ABEMA系列でいえば『今日、好きになりました。ハワイ編』『シャッフルアイランド Season2』など、過去4回の恋リア経験者であるいっせい（森長一誠）の姿も。さらに、ABEMA社員としてこのジャンルを知り尽くす、同局専属アナウンサーのあかね（瀧山あかね）まで、とにかく“恋リア”の猛者が集っているのが『ラブキン』第一の見どころである。

　ほかにも、男子ならYouTuberグループ・えびじゃのメンバーにして、かつて某アプリで8000名とマッチ経験があるひろやす（森山弘康）、元AKB48のみほ（宮崎美穂）、サイバージャパン・ダンサーズのアオイ（AOI）など、肩書きを見ただけで“あ、これまでの人生でモテない方がむしろおかしいですよね”と思えるほどの顔ぶれ。この時代特有といえる“あ、自分はモテないんで”と気弱になる風潮へのアンチテーゼか。モテの精鋭部隊は、自身がモテることをとにかく豪語し、実際にデカく動く姿がもう清々しい。

　そもそも考えてみてもらいたい。モテる人間しか集まらないとの前提を伝えられてなお、読者各位はその戦地に赴くだろうか？　多くはきっと拒むはず。つまり、この番組は“王のなかの王”を決める意味を持った、“恋リアの天下一武道会”なのである。