連載:「十束おとはの『テック・ファウンダー』」(第27回)

ノートルダム大聖堂の歴史を巡る 十束おとはがタブレットで”時空の旅”を体験

 みなさん、こんにちは。十束おとはです。

 暦上ではもう冬ですが、まだまだ秋を楽しみたい! そんな私の希望にぴったりな“芸術の秋”を感じられる特別展が日本科学未来館で開催中です。ノートルダム大聖堂の歴史と復興の歩みを、タブレットを使って知ることのできる展示だそうな。一体どういうことなのか 。テック好きなわたしはわくわくが止まりません。ということで、今回は特別展「パリ・ノートルダム大聖堂展 タブレットを手に巡る時空の旅」を紹介します。

 パリのシテ島に今からおよそ800年前に建築され、世界遺産にも登録されているノートルダム大聖堂は、2019年4月に火災があり、大きな被害を受けました。そのあとすぐに開始された復興プロジェクトでは各界の専門家が集結し、最新鋭のドローンやCG技術を駆使しながら修復されています。来月ついに大聖堂の一般公開が再開されるそうで、そのタイミングに合わせ、日本でもついにこの特別展が開催。


 ノートルダム大聖堂の歴史はもちろん、修復への道のりも深く知ることができるボリューミーな展示ですが、この展示の大きな特徴は専用端末「HistoPad」にあります。

 展示スペースには21個のタイムポータル(時空の扉)が用意されており、HIstoPadをかざすとディスプレイに当時の様子が再現される仕組み。

 


 このディスプレイに表示される情報量がとにかく多く「下の絨毯は何時間座ってもお尻が痛くならないものにした」と記者発表会時に制作委員会の方が仰っていた意味がよく分かりました。

 加えて、内装がとても素敵。ずっと見ていたいなと思うほどに美しいステンドグラスが壁に映し出されていてしばらくぼーっと座ることに。本物のような繊細さや煌めきがあって、胸がときめきました。情報をどんどん読み込んでいくもよし、その場の雰囲気をじっくり味わうもよし。色々な楽しみ方があり、心地よい空間でした。

 

 端末は、まるで洋ゲーが始まりそうな予感のする画面。音楽や効果音も展示のBGMとは別に端末からも出るようになっており、たくさんのこだわりが詰まっていました。画面にタッチすると各アイテムの説明もしてくれるので、その時代の背景をより深く知ることができます。


 建物や美術・技術の歴史を深く知ることができるし、自分で画面をかざしたりタップしたりと、アトラクションのようなワクワクさもあるので、教育現場にぴったりだなと感じました。
 
 ちなみに大人の私も知らないことだらけで終始新鮮な気持ちで楽しむことができましたので、大人の皆さまもぜひ。


 また、来場者が実際に模型に触れることのできるコーナーが東京展では追加されたそうで、ミニチュアの模型がお出迎えしてくれます。

 火災前後の大聖堂を比較した模型や聖母子像の彫刻のレプリカなどを、点字も交え紹介することで、より多くの方が楽しめる内容となっています。


 実際に触ってみると、ゴツゴツしていると思いきや、想像以上に繊細で手から感じる情報量の多さに感動しました。


 ほかにも、ノートルダム大聖堂のステンドグラス風のプリントシールが撮れる機械や、素敵な物販があったりと見どころがたくさん。グッズは色使いが素敵でおしゃれなものから日本文化を感じるものまで幅広いラインナップで、どれも可愛かったです。


 来月の大聖堂一般公開再開の際にはイベントも計画されているそうで、さらに盛り上がること間違いなし。

 少し難しい内容なのかな、と思っていたのですが、実際に行ってみるとゲーム感覚で楽しみながら知識を増やしていくことのできる奥深い展示でした。来年の2月24日まで開催されているので、みなさんぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

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