『Weekly Virtual News』(2024年10月15日号)
『CDJ2024』に星街すいせい、緑仙の出演が決定 にじ・ホロのVTuber間では『VRChat』流行の兆しも?
大手VTuber事務所にも『VRChat』ブームの兆し?
ストリーマー・スタンミが大きな注目を集めてからというもの、さまざまな業界からの新規参入が続く『VRChat』。ホロライブの火威青が呼び水となったのか、大手事務所のVTuberたちも『VRChat』に興味を示し始めているようだ。にじさんじの鈴木勝も、ワンオペで『VRChat』配信を実施し、様々なワールドを見て回った。
初心者向けワールドからスタートし、「ぽこピーランド」やイルミネーションの映える街を歩く、王道ともいえる『VRChat』配信となった。そして、様々な世界を全身で満喫する姿は、「バーチャルな存在がバーチャルの世界で生きる姿」そのもの。バストアップで映す通常の配信からは得られない魅力にあふれていた。
ちなみに、鈴木勝は一連の配信準備もワンオペだったのか、『Unity』や『Blender』といった3D関連ソフトにも触れたとおぼしきコメントを残している。その際には先人が残した記事などが活躍したようだ。黎明期より『VRChat』で生きてきた人の知見が、後続の人々の助けになる事象は、スタンミきっかけでやってきた新規層にも通ずるところだ。
ホロスターズ内ユニット「UPROAR!!」の羽継烏有も、『VRChat』から雑談配信を行った。短い時間ではあったものの、配信をおこなったワールドはなんと自作。市販アバターの存在も把握しており、その上で「スノウエルフのお嬢様」や「右近」といったそこそこ古めのアバターを知っているなど、火威青と同様に相当な経験者である可能性が伺えた。
そして、おなじくホロライブの白上フブキも『VRChat』配信に意欲を見せている。大手事務所と『VRChat』の距離がどのように変動していくかは、注視していきたいところだ。
バーチャルアーティストが日本最大の年越し音楽ライブに参戦
12月28日から12月31日に開催される「COUNTDOWN JAPAN 24/25」に、VTuberが出演する。にじさんじから緑仙が12月28日に、ホロライブから星街すいせいが12月31日に出演決定となった。日本最大級の年越しカウントダウン音楽ライブに、国内屈指のバーチャルアーティスト2名が招かれる形だ。バーチャルタレントの存在感が年々強まっていることを示す出来事である。
毎年恒例の24時間イベント「ぽんぽこ24」も、11月23日から開催が発表された。2024年ギリギリの開催となる「ぽんぽこ24 vol.8」のテーマは「楽」。さすがに毎年ゼロから企画を立ち上げるのはハードということで、これまでの企画から面白かったものをピックアップして「一切無理しない」会にするとのことだ。そして、「今年で最後」と今回も念押しされているが……答え合わせは来年にとっておこう。
タレントの去就が業界内でも特に自由な『ななしいんく』では、最初期タレントの一人・日ノ隈らんが事務所の独立を発表した。所属は離れつつも、活動は個人で続け、名義なども引き継がれる。昨年独立した周防パトラと類似する展開となった。寂しさこそ残るものの、事務所に依存せず自身の存在を維持できる対応は、今後も業界に広まってほしいものだ。
高級路線の軽量・ハイエンドVRヘッドセット『MeganeX superlight 8K』登場
国内VR関連機器メーカー・Shiftallからは、割り切ったコンセプトのVRデバイスが発表された。VRヘッドセット『MeganeX superlight 8K』だ。
本体重量は185g未満、画質は両目で8K相当、ディスプレイ部のフリップアップ機構や、瞳孔間距離の電動調整やピント調整機能など、軽量かつハイエンドな仕様が持ち味である。一方で、昨今はやりのMR機能はオミットし、トラッキング方式もベースステーションを求めるLighthouse方式を採用。PCとの接続を大前提とした仕様は、ソーシャルVR用途における適性を突き詰めたものだ。
『VRChat』などで長時間、快適に過ごす上で役立つスペックが詰まった一台となっており、筆者から見ても魅力的だ。一方で、価格は約25万円。コンシューマーデバイスとしてはかなり高価である。懐に余裕のあるユーザが選択する高級デバイスのような立ち位置となりそうだ。
こうした選択肢が生まれるくらいには、VRデバイスの細分化も進みつつある。安価な汎用機としては先日発表された『Meta Quest 3S』が挙げられるが、それを起点により”尖った”VRヘッドセットも増えていくことだろう。『MeganeX superlight 8K』の発送は2025年1月〜2月を予定。公式サイトにて予約受付中だ。