チャゲアス結成秘話やラジオを超えた“熱狂”まで……赤坂泰彦×Chageが語り尽くした“あの頃といま”

ーーFAXがメールになり、ラジオもアプリで聞けるようになり、Voicyのような音声プラットフォームが出てきたりと、テクノロジーによって音声を届ける・そのうえでやり取りする手段も進化していますが、最終的には人と人とが気持ちよくコミュニケーションできるかどうかですもんね。

赤坂:その話を聞いて思い出した。阪神淡路大震災のとき、何をどう放送していいかわからなくなってしまったんですよ。携帯電話も今ほど普及していなくて、番組には「安否確認したい」というFAXが大量に届いて……。Chageさんも一晩中放送してましたよね?

Chage:3時までやってたね。あの日は基本的にみんなNHKを聴いてたと思うんですけど、それでもいつも聴いてくれている人たちは自分の番組に合わせてくれていたみたいで。いつも投稿してくれているリスナーから「神戸に友達がいるんだけど、呼びかけてください」というメッセージをもらって、2時間のあいだ名前を呼びつづけたら、比較的被害が多い地域である神戸市・長田区の端の方にあるコンビニから「大丈夫です」って中学生の男の子のメッセージが届いて。みんなホッとしたのを覚えてる。

赤坂:もちろん、その情報が正しかったかどうかは今となってはわからないけど、それとは別にして、たった一通の中学生の「大丈夫です」って一言が誰かの力になったのは間違いない。僕らは本来なら全部番組を潰して報道番組に変えるとか、NHKに乗るとかそういうこともできたかもしれないけど、自分たちが発信することで送れたメッセージもあったと思う。質問してくださったように、テクノロジーでいろんなことが進化していると考えると、そういった災害時の放送も電波さえ繋がっていれば、Voicyのようなアプリを使って現地の声をリアルに届けることはできると思います。SNSがパンクするくらい混みあってしまってまともな状態じゃない時に使えたりしたら、さっきの中学生のメッセージのように、誰かに安心感を与えたり、助けになったりすることもあるかもしれないですよね。

ーーちなみにChageさんは今回の対談を終えて、音声配信について興味を持ったりしましたか?

Chage:面白そうだとは思いましたね。スマホやパソコンがあればこうして喋る番組が持てて発信できるというのは、時代が変わったことをすごく感じさせてくれる。そんな最先端の場所で、喋りだけでグイグイっていくこの男(赤坂さん)が本当にすごいなと思いますよ。

ーーお二人のお話は、音楽こそ流せないけど、音楽以上の情報がこもっていてとても楽しめました。

赤坂:音楽は流れないけど、しっかりそこに鳴っていて、聞こえるようにはなっていると思いますよ。Chageさんの言葉一つひとつに音楽があって、音が聞こえてくるから。

ーー今回のエピソードを聞いて、久しぶりにあの曲を聴いてみようとか、新しいアルバムが気になる、という方もかなり多い気がします。

Chage:このおっさんの話が楽しいから、一回聴いてみるかと思ってくれたらめちゃくちゃ嬉しいです。

赤坂:せっかくなのでそういう新しい方たちにもぜひ見つけて聞いてほしいですね。番組に直接でも、Voicyにでもいいので、ぜひ感想を送っていただきたいです。

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