『ANN0』の「17LIVE（イチナナ）」無料独占ライブ配信から見えた“ラジオ×ライブ配信”の可能性

　近年、音声配信アプリやライブ配信アプリ、動画投稿アプリなどが私たちの生活により身近になった印象を受ける。実際、テレビ番組の多くはTVerを始めとする動画配信サイトでいつでも見れる存在に。加えて、配信サイトでのみ楽しめるスピンオフドラマやアフタートーク番組なども展開されるようになり、メディア同士がクロスしていくことでより盛り上がりを見せている印象だ。

　そんななか、2023年10月2日より世界5000万ユーザーが利用しているライブ配信アプリ「17LIVE（イチナナ）」では、ニッポン放送『オールナイトニッポン0(ZERO)』の無料独占ライブ配信を開始した。2012年にスタートした『オールナイトニッポン0(ZERO)』は深夜27時から放送のラジオ枠、その時間帯ならではの赤裸々な話、深夜のテンションが楽しめるとあり、根強いファンを抱えている。

　ライブ配信とラジオは非常に相性が良い。その理由のひとつは、なんといっても、より一層パーソナリティを身近に感じられるという点だろう。

　たとえば、ある話題に関してのモノがある場合、これまでのラジオでは想像することしかできなかったが、答え合わせをすることでパーソナリティーとエピソードをより色濃く共有することが可能に。

　具体的に、12月8日に放送された『マヂカルラブリーのオールナイトニッポン0(ZERO)』について取り上げよう。野田クリスタルが都築拓紀（四千頭身）から渡されたという、『HUNTER×HUNTER』（集英社）にまつわる、とある絵を見る一幕が。この放送、ラジオで聴いていたときは、2人の言葉から、その絵を想像するしかなかったのだが、村上が17LIVE配信用のカメラに向かって、その絵を見せてくれたことで17LIVEユーザーだけは、その絵のおもしろさを体感。リスナーとして膨らませていた想像と、実際の物事を答え合わせする体験を楽しめたのだ。

　また、もはや毎年末の風物詩ともなってい三四郎となかやまきんに君による『三四郎のオールナイトニッポン0(ZERO)』のスペシャルウィーク回では、きんに君がいったいどんな顔でボケまくり、それに対して三四郎がどんな風に対峙しているのか見れたのも17LIVEならでは。ただ言葉でボケているのではなく、身振り手振りを交えてボケまくっている姿を見ることで、より一層おもしろさへの解像度を上げることができた。

　さらに、『あののオールナイトニッポン0(ZERO)』からは、佐野瑞樹（フジテレビアナウンサー）と東京ホテイソンが出演した回を取り上げてみよう。3組は10月からスタートした競馬番組『ウマウマ！～アノミズキのビギナー育成TV～』（フジテレビ）で共演しているということもあり、佐野がかわいい馬のカチューシャをつけてトークを繰り広げる様子を楽しめるのも配信ならではだ。

　また、放送後に17LIVE限定のアフタートークを楽しめるのも醍醐味。そこの使い方は、パーソナリティ次第だが「本当はこんな話をしたかった」や「こんな曲をかけようか迷った」という反省会的な話を聞けるのは、滞りなくマイクを介してリスナーを楽しませていたパーソナリティの、ある意味で人間的な部分を感じさせてくれるので、筆者自身お気に入りである。

　このようにライブ配信プラットフォームとラジオの掛け合わせは、ラジオの楽しみ方の幅を広げてくれたように思える。

　また、パーソナリティーとリスナーとの関係値だけでなく、「17LIVE」での配信で「ANN0」を視聴しているリスナー間のやりとりも、一見の価値がある。通常のラジオ放送でリスナー同志がリアルタイムで意見を交換したり、お互いのコメントで「爆笑」「www」など反応することは難しかったが、ライブ配信を導入することによりその距離感が一気に縮まったように感じた。

　業界最大手のニッポン放送とライブ配信アプリ「17LIVE」が手を組んだことで、今後お互いのユーザー同士が交流することや、双方がさらに盛り上がりを見せることを期待したい。

　年始の週は、豪華タレントがパーソナリティとして出演予定。「17LIVE」で視聴してみよう。

■17LIVE（イチナナ） 配信アカウント
オールナイトニッポンOfficial：https://17appv2.onelink.me/D7OH/lk7knpfp