HTC『VIVEトラッカーUltimate』でVR住民が大興奮するワケ 公式アンバサダーが徹底解説

「インサイドアウト」方式のトラッカーがいよいよ一般ユーザーの手が届く範囲に

 筆者も使っている従来型のVIVEトラッカーでは、部屋の天井の角などに「ベースステーション」というセンサーを取り付けることで、部屋のどこにいても正確にVIVEトラッカーの位置や回転を検出できる「ライトハウス」という規格が採用されている。

 ライトハウスは精度や安定性が非常に高い反面、センサーが影に入ってしまうとトラッキングが外れてしまう欠点(いわゆる「トラッカーが飛ぶ」現象)があるのと、『Quest 2』を始めとするスタンドアローン型のVRゴーグルの場合、トラッカーだけでなくベースステーションも購入しないといけないため、導入コストが高いという問題があった。

ライトハウス規格のトラッキングイメージ(出典:SteamVR)

 そのため最近では、「Haritora」シリーズなど加速度センサーや地磁気センサーを採用した比較的低コストなフルトラ機器も複数登場していた。しかし、これらの機器は利用シーンによっては精度や安定性に難があるという意見もあった。

 そこで、新型の『Ultimateトラッカー』では「インサイドアウト方式」のトラッキングを採用することで、外部センサーを必要とせずに単独で高い精度と安定性を実現している。

 この方式の実現に当たって課題だと言われていたのは、カメラに加えて、位置計算を行う頭脳に当たる演算装置をトラッカーに内蔵する必要があり、どうしてもコストが跳ね上がってしまうという点。いうなれば、トラッカー一つひとつが自分自身の位置計測をするための小さなパソコン程度の性能を有する必要があったのだ。だからこそ、今回インサイドアウト方式のトラッカーが一般ユーザーにも手に届く価格で実現できたのは画期的なことなのだ。

高まるユーザーの期待 気になる精度や安定性については今後に注目

 筆者のツイートには多数の引用コメントが寄せられ、「ベースステーションなしで高精度で安定したフルトラができるのは嬉しい」「激しい動きでもトラッカーが飛ばなくなるなら嬉しい」など、製品に対する期待の声があがっていた。

 他方で、値段については、「(ライトハウスに比べれば)この価格で高精度フルトラができるなら安い」「(3台揃えないといけないことを考えると)さすがに高い」など、賛否もあるようだ。

 精度については「実際に(ライトハウスと比べて)どれくらいの精度や安定性が出るのか気になる」という声もあり、今後のアナウンスに注目したいところだ。精度や安定性については、筆者も入手次第レポートしようと考えている。高性能なフルトラが身近になることにより、VRの世界がますます広がっていくと考えると夢が膨らむ。手元に届くのを楽しみにしたい。

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