ユーザーの声を迅速に反映した『ドラクエ チャンピオンズ』 ライブサービスゲーム時代の開発・運営に求められるものとは?
コミュニティとの関係性が命運をわける時代。『ドラクエ チャンピオンズ』は成功をつかめるか
ゲーム市場では昨今、「ライブサービスゲーム」というワードが注目を集めている。ライブサービスゲームとは、タイトルを売って終わりではなく、継続的に更新・進化させていくことで、コミュニティの醸成や利益の最大化をねらうゲームコンテンツの総称だ。わかりやすい例では、基本プレイ無料・アイテム課金型のタイトルがこれに該当する。多くのモバイルゲームはもちろん、『Apex Legends』や『League of Legends』、『FINAL FANTASY XIV』『Dead by Daylight』など、いまをときめくさまざまな人気タイトルたちが分類されるカテゴリだ。広義には、ゲームに関連するサブスクリプションサービスも当てはまるかもしれない。Microsoftの『XBOX GAME PASS』、ソニー・インタラクティブエンタテインメントの『PS Plus』、任天堂の『Nintendo Switch Online』も、“ライブサービスゲーム”的な発想で提供されているサービスだと言える。
なぜライブサービスゲームに注目が集まるのか。その理由は、マネタイズポイントが“点”ではなく、“線”であることに尽きるだろう。かつて主流だったパッケージとしてのソフト販売は、ユーザーが購入した瞬間にしか売上・利益が発生しないが、ライブサービスゲームは、コンテンツの賞味期限が切れなければ、半永久的に売上・利益を獲得できる。同カテゴリに分類されるタイトルに課金した経験を持つ方ならば、容易に想像がつくはずだ。
とはいえ、どのようなゲームであっても利益を最大化できるわけではない。大前提には、「サービスが継続していくこと」という難しい条件がある。ここには、ゲームとしての面白さはもちろん、コミュニティとの関係性も影響する。コンテンツがいかに魅力的であっても、ユーザーの心が離れてしまえば、メリットの享受は不可能なのだ。直近のゲーム界隈でも、それを象徴するような出来事があった。件のタイトルはその結果、大幅に売上を減らしている。
『ドラクエ チャンピオンズ』における開発・運営の対応は、コミュニティと良好な関係性を築いていくためのものだと言える。もちろん背景には、お披露目時点での悪印象があったのかもしれない。期待の最新モバイルゲームとして一定の成果をあげるためには、ユーザーに寄り添っていくしかない部分もあったのだろう。しかし、ここまで目に見える形でユーザーの声を反映し、それをきちんと広報できるライブサービスゲームがこれまであっただろうか。少なくとも私は、同カテゴリが市場を席巻する時代の、極めて象徴的な出来事だったような気がしてしまうのだ。
開発・運営の姿勢は『ドラクエ チャンピオンズ』に成功をもたらすか。今後の動向に注目したい。
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