2023年もASUSは本気。全シリーズに「RTX4000」シリーズを積んだROGブランドの最新モデルを発表

 2023年3月、ASUSジャパンが新作ゲーミングノートPCの発表会「MAXED OUT 限界突破」を実施した。同社のゲーミングブランドであるROG(Republic of Gamers)の2023年モデルPCの発表会で、オンラインでも配信された。

 ROGブランドからは非常に多くのPCがリリースされているが、ゲーミングノートにおいては「Zephyrus」「Strix」「Flow」「TUF Gaming」の4シリーズが柱となっている。それぞれの違いを簡単にまとめると……。「Zephyrus」は薄型ボディとスタイリッシュなデザインで、仕事にも使えるゲーミングPC。「Strix」はプロe-Sports選手をも満足させる最新性能を詰め込んだモデル。重いクリエイティブソフトにも最適だ。「Flow」は取り外し式キーボードや360度フリップなど、フレキシブルさとゲーミング性能を両立している。「TUF Gaming」は手頃な価格と堅牢なボディが特徴。PCゲーム初心者がターゲットという具合だ。ROGのゲーミングノートを選ぶ場合はこの違いを知っておくとわかりやすいだろう。

 新たに発表された2023年モデルは、これら4つのモデルすべてが最新スペックにアップデートされている。CPUには第13世代のインテルCPUもしくは「Ryzen7000」シリーズが採用され、GPUには「RTX4000」が採用されるなど、ハッキリ言ってどのモデルも申し分ない性能だ。

 発表会ではすべてのモデルが展示されていた。特に気になった3つのモデルを紹介していこう。

異色の2画面マシン!

 『Zephyrus Duo 16(GX650PY-R9R4090)』は、キーボード上部にセカンドディスプレイを搭載した不思議すぎる見た目のノートPC。奇抜な見た目ながら性能は妥協がなく、プロセッサーには「Ryzen 9 7945HX」を、GPUには「RTX4090」を採用したモンスターマシンだ。

 特徴でもあるセカンドディスプレイはタッチに対応し、スワイプやピンチ操作などでスムーズなブラウジングが可能。クリエイティブソフトのツール操作にも向いており、ゲームだけでなく編集マシンとしても心強い。ASUSのPCの中でも特にユニークなモデルだ。

大画面、それは間違いない正義

「ノートPCの画面が大きければ外付けディスプレイは要らないのでは…?」と、そう思っている人は『Strix SCAR 18(G834JZ-I9R4080)』を見るだけで幸せになれるだろう。最新スペックとデカイ画面という、なんともわかりやすい大艦巨砲なPCだ。

 実際にディスプレイを前にしてみると、その視野の広さは圧倒的。ノートPCはコンパクトさも利点となるガジェットだが「ノートPCと言いつつ家でしか使ってない」という人も多いのでは? ならば家だけで使う大きなノートPCというのも候補になるはずだ。

 マウスと比較すると大きさはこのくらい。重量3.1kgのヘビー級だが、これさえあれば出張先のホテルでも快適な作業を約束してくれるだろう。個人的にはこうした重量級ノートPCと軽量ノートPCの二刀流が理想だと思っている。

日常生活でもっとも使いやすいスタイル

 日常生活においてもっとも使いやすいと感じたのが、こちらの『Flow Z13(GZ301VV-I9R4060)』。Flowシリーズはフレキシブルさを重要視しており、このモデルはキーボードを取り外してタブレットのように使うことができる。見た目こそタブレットだが、その性能は比類なきゲーミング級というギャップがカッコいい。

 「Flow」シリーズは専用の外付けGPU「XG Mobile(GC33Y-021)」を接続することで、一気にモンスターマシン化させることもできる。このGPUも2023年モデルにアップデートされ、新たに「RTX4090」を搭載した。普段はデタッチャブルPCとして軽快に使いつつ、GPUに繋げれば重いゲームもサクサク動かせるわけだ。端子数が増えるのも利点。

ROGのスペシャリストが選ぶイチオシモデルは?

 また、ASUSジャパン・システムビジネスグループマーケティング部にて「ROGスペシャリスト」という役職を担っている瀬口佳吾氏にも話を伺うことができた。まずは瀬口氏オススメのモデルを選んでもらうことに。

 「私の個人的なオススメは、こちらの『Zephyrus G14』です。このモデルは2020年からスタートし、当時では珍しい14インチを採用しました。「Ryzen 9」と「RTX2060」を搭載しつつも薄型ボディを実現したことで高い評価をいただいており、私個人もこのモデルを愛用しています。一見すると地味なモデルなのですが、ベゼルはより薄くなり、テレワークの波を受けてWebカメラも搭載するなど、毎年着実に進化を遂げています。『Zephyrus Duo 16』のような尖った特徴こそありませんが、誰にとっても使いやすく愛していただけるモデルが、この『Zephyrus G14』だと思っています」(瀬口氏)

 言われてみれば『Zephyrus G14』のシンプルさは、ビジネスや日常生活においての使いやすさにもつながっていると感じた。軽量薄型ゆえ持ち運びも容易で、なおかつスペックも高い。そしてASUSらしい遊びゴコロとして、天板を自由に点滅させられる「AniMe Matrix」があるが、これも自分らしさを表現できる要素といえるだろう。

 次に、筆者の個人的なお気に入りだった『Flow Z13』についてもオススメコメントをいただいた。

「まず私が『Flow Z13』を初めて触ったときに感じたのが、その造りの精巧さです。タブレットにありがちなのですが、ボディが金属製なので剛性が素晴らしい。同時にキーボード部分もしっかりしていて、タイピングしてもたわみを感じません。ヒンジもガッシリしていますし、あらゆる点で剛性が抜かりがないなと感じました。スペックの面において差別化できる要素は、やはり最新のi9-13900Hプロセッサーを搭載している点です。さらに外付けGPUはRTX4090。PC本体はCPUを最優先することで普段の作業は軽快にこなせますし、GPUパワーが必要な時は補完が可能となりました。PC本体の熱を抑えることにも繋がっています」(瀬口氏)

 実は『Flow Z13』は、近日実機をお借りしてレビューを予定している。タブレットPCでありながら最新CPUを積んだマシン、その詳しい使い心地は後日お届けしたい。

限界まで進化した、ROGの最新ゲーミングノート

 ROGは、ゲーミングPCブランドの国内販売実績において3年連続一位に選ばれている。PC選びはスペックや価格が重要になるが、どうしてそのデザインになったか、そのスペックで何をさせたいのか、空冷システムはどこまで追求されているのかといった、完成にいたる背景も重要だと筆者は考えている。ROGの哲学に共感するユーザーの数は、その販売実績にも表れているのだろう。

 ROGの最新ゲーミングノートPCの一覧はこちらのページで確認できる。また、オンライン発表の様子は以下にアーカイブされている。

◎参考リンク

https://jp.store.ASUS.com/store/ASUSjp/html/pbPage.rog_new_laptop_2023/
https://www.youtube.com/live/LTG9iRPVOgo?feature=share

◎商品情報

https://jp.store.ASUS.com/store/ASUSjp/html/pbPage.rog_new_laptop_2023/

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