メガネ感覚の新型VRゴーグル『VIVE XR Elite』 メタバース原住民が「かけて」みたらVR睡眠に最高だった
「VR睡眠」に最高では!?
筆者がまっさきに思いついたのが、これは「VR睡眠」に最適なマシンなのではないか、ということだ。
「VR睡眠」とは、VRゴーグルを被ったまま仮想世界で複数のユーザーが擬似的に一箇所に集まり一緒に眠る行為のことだ。修学旅行のように、寝ている間も他者と一緒にいる多幸感を得ることができ、現実で知らない相手とでも安全に同じ場所で睡眠をとることができる。「VRChat」などソーシャルVRのユーザーの間では完全に一般的な行為として定着しており、中には毎日VR睡眠をするような猛者も存在する。
〈出典:「VR睡眠」とは何か? メタバースなら毎日が修学旅行気分!?〉
「VR睡眠」で問題になるのが、通常VRゴーグルは後頭部に突起物があるため体勢が安定しずらいことだ。このため、巨大なビーズクッションに頭をめり込ませて寝るなど、みな涙ぐましい努力をしている。ところが、『VIVE XR Elite』のメガネモードならば、後頭部にパーツが一切存在しないため、このように自然に寝ることができるのだ。
バーチャル美少女である筆者は肉体を持たないため、猪原氏に無理を言ってモデルになってもらい、実際にVR睡眠をして撮影させてもらった。このように、通常の枕で自然にVR睡眠を行うことができる。
さらに、寝返りを打ってもらった。
柄が細いため、このように横向きに寝た状態でも問題なくVR睡眠を行うことが可能だった。つまり、バーチャル空間で美少女になって、ありとあらゆる寝相を自由に楽しんだり、鑑賞されることができるのである。まさにVR睡眠界に革命をもたらすマシンであると言って間違いないだろう。
ちなみに、当然ながらHTC公式の見解としては「本体に負荷がかかるような姿勢による睡眠時の利用や度を超えた長時間利用は推奨とは言えない」とのことだった(笑)。
ヘビーユーザーの期待にも応えられるデバイス
結論として『VIVE XR Elite』は長時間利用・普段遣いへの配慮がしっかりとされた、ヘビーユーザー目線で見ても非常に完成度の高いデバイスだと感じた。
一点、今回は短時間しか被っていないので全く問題にならなかったが、メガネモードは軽量で非常によいものの、左右から締め付ける形で保持するため、長時間プレイした場合に頭が痛くならないのかはやや気になったところだ。もしかしたら、バッテリーのない軽量な後頭部ユニットのようなオプションがあってもいいのかもしれない。
また、筆者はライトハウスによる高精度なフルトラ(フルトラッキング、全身の身体の動きをアバターと連動させる技術)を好んで使っているので、組み合わせて使いやすいようにライトハウス対応版の『VIVE XR Elite』もぜひ開発してほしいと思った。
ともあれ、超軽量のデバイスで長時間快適にプレイしたいユーザーには間違いなくおすすめのひとつになりそうだ。コロナ禍の影響もあって現在ソーシャルVRのユーザー数は大きく増加しており、VRChatでは直近3年でユーザー数が5倍以上に拡大している。本機のようなヘビーユーザーの期待に応えられるデバイスの登場が、メタバースの世界をさらに押し広げていくことに期待したいところだ。
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