2022年、ゲーム業界はどこへ向かう? 昨年の主要トピックから今年の動向を予測
2022年、ゲーム業界はどこへ向かう?
以上の昨年の振り返りを踏まえ、ここからは2022年のゲーム業界の動きを予測していきたい。
まずピックアップするのが、eスポーツ分野のさらなる盛り上がりだ。昨年『Virtua Fighter esports』『eFootball 2022』が登場した同分野。2022年も競技としてのポテンシャルを秘めた注目作が発売予定で、ここ数年囁かれ続けてきた“爆発的市場拡大”のXデーがようやく間近に迫ってきた印象がある。
今年中の発売が明らかとなっているタイトルでは、『バーチャファイター』と並ぶ対戦格闘ジャンル草創期からの人気シリーズ『キングオブファイターズ』から、『THE KING OF FIGHTERS XV』が2月に、いまや対戦アクションシューティングの主要シリーズにまで成長した『スプラトゥーン』から、『Splatoon 3』が年内に登場する予定だ。どちらも『Virtua Fighter esports』『eFootball 2022』のように、明確にeスポーツ分野への注力を打ち出したタイトルではないが、登場によって競技シーンが盛り上がっていくことに疑いの余地はない。
このほか、かねてからの定番タイトルたちも昨年と同等、またはそれ以上に影響力を強めてくるはず。国内における“eスポーツ元年“がやっと到来するかもしれない。
対して、ソロプレイに重きを置いたジャンルからは、オープンワールドゲームがさらなる台頭の気配を見せる。1月には『ポケットモンスター』シリーズ初のオープンワールド系タイトル『Pokémon LEGENDS アルセウス』が、2月には前作の成功で独自の地位を確立した『Horizon Zero』シリーズの最新作『Horizon Forbidden West』と、ソウルシリーズの後継作『ELDEN RING』が発売予定だ。なかには完全なるオープンワールドと言えないタイトルも存在するが、その息吹を感じさせる点では大きく同ジャンルに分類することができるだろう。
昨年2月、『Valheim』の登場であらためて存在感が認められることになったオープンワールドのジャンル。一方で、その後、目立つトレンドタイトルが現れなかったことには、新世代ハードの供給不足が影を落としているのかもしれない。RPGやシミュレーション、アドベンチャーなどと比較すると、オープンワールドは、ハードに一定のスペックを求めるジャンルではある。同ジャンルが今後、青写真どおりに飛躍できるかは、注目度や話題性、クオリティの高い作品のリリースと、ハードの充分な流通にかかっていると言えるのかもしれない。
また、大きくは取り上げないが、そろそろ『FINAL FANTASY VII REMAKE』続編に関する発表が聞きたいフリークも多いのではないだろうか。2022年春で前作の発売から約2年が経過する同タイトル。昨年6月には、ユフィを主人公とする追加エピソードを収録した“完全版”『FINAL FANTASY VII REMAKE INTERGRADE』がリリースされているが、ほんとうにファンがプレイしたいのは、こちらではないはずだ。はたして今年中に続編に関する発表、はたまた発売があるのだろうか。現時点で音沙汰がないことを考えると、望み薄である点は否めないが、こちらにも淡い期待を寄せておきたい。
インディーの勃興、バトルロイヤルの全盛から、eスポーツ分野・オープンワールドジャンル台頭の時代へ。半導体不足という社会問題が、必要以上にゲーム業界発展の足かせとならないことだけを祈りたい。
(画像=Pexelsより)