音楽に地域性を感じるには生活音が最適? 世界中の音が聴けるアプリ「Global Sounds」
近年、YouTubeで「ASMR動画」が話題となっている。ASMRとは「Autonomous Sensory Meridian Response」の略。視覚や聴覚が刺激され、心地よさを感じる動画だ。音の種類は咀嚼音、鉛筆を削る音、揚げ物の音などバリエーション豊富。芸能人も度々自分の好きな音を公表している。
ASMR動画は高性能の専用マイクで録音され、一つの音にフォーカスされていることが多いが、 今回は世界中の様々な音が投稿されているアプリを紹介したい。それが「Global Sounds」だ。アプリを開くと世界地図になっており、4つの色が地図上にプロットされている。項目別に、緑「Nature」、オレンジ「Machinery」、赤「Human」、青「Ambient」の4種類。Natureでは「セブ・マクタン島の朝」、Machinery「韓国・鉄道」、Human「日本・奥之院わんぱく相撲!」、Ambient「イギリス・大学対抗バスケ」など多種多様な音が投稿されている。
「Global Sounds」は、世界地図上のプロットをワンタッチすれば音を聴ける手軽さが魅力。「日本列島ダーツの旅」に似た感覚がある。同じ物の音でも、場所によって全く違うことも多い。例えば鐘の音。「ザルツブルク・ 聖セバスチャン教会の鐘」「インディン遺跡近くの鐘の音」「シンガポールの教会の鐘」「ティローミインロー寺院の土産店 の鐘」。鐘の音ひと つとっても音色、テンポ、周囲の雰囲気、何もかもが違う。
「Global Sounds」はスマホで録音し、アップロードされているため、音源には「雑音」も多く含まれている。しかし、筆者が「Global Sounds」において最も重要なのは「雑音」だと感じる。
高性能のマイクで録っているわけではないため、人の声や生き物の音、車のエンジン音など混入している音は様々。筆者は雑音や環境音が音に地域性を生み出していると思う。世界中で電車は走っているし、ご飯を食べる。同じことをしているはずなのに音が持つ世界観が国によって全く違う。