コロナ禍で、ファッションの“借りる”時代は加速する? アドレスホッパーが考える「衣服のサブスク」の進化

 新型コロナウイルスがの影響がファッション業界に与えた影響は少なくない。レナウンの破産やセシルマクビー(CECIL McBEE)の全店閉鎖などアパレルに関するマイナスなニュースが多く見られた1年だった。また、これは国内だけの話だけではない。日本でもなじみのある英国のライフスタイルブランド「ローラアシュレイ」はコロナがきっかけで経営破綻、アメリカの紳士服ブランドである「ブルックス・ブラザーズ」は破産法適用を申請した。アパレル業界ではこのコロナショックをどう乗り切るかがブランドを守っていくためのカギになってくるだろう。

 そんな売り上げ不振のなか、アパレルのサブスクリプションサービスの需要は急増している。今回はファッションサブスクリプションサービスの代表として20~30代女性に最も使われている(参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000036659.html)ファッションレンタルサービス『MECHAKARI(メチャカリ)』(を読み解くとともにアパレル業界不況におけるサブスクリプションサービスの需要について考えていく。

メチャカリとはどんなサービスなのか

 2015年9月にリリースされたメチャカリは「月額2,980円で洋服が借り放題」というサービス。服の交換回数が無制限でレンタルでき、返却期限がなくクリーニングも不要。さらに幅広いテイストの洋服をそろえていることで、自分に合った洋服を見つけられるためファッションを日常的に楽しんでいる女性にはうってつけのサービスとなっている。男性服もあるのだが、取り扱いブランド数が少ないため、女性の利用率が高くなっているのが現状だ。

メチャカリの魅力とは

1.リスクなしで洋服をレンタル・購入できる使い勝手の良さ

 新しい服が欲しいと思っていても「値段が高い」「買ってもすぐに飽きてしまいそう」といった場合には購入をためらってしまうこともあるだろう。そんな人にとってメチャカリは新品の服を買うよりもお得に定額レンタルができ、簡単に返せるという手軽さがある。

 それに加えてレンタルして気に入った服があった場合にはそのまま商品を購入できるのもこのサービスの特徴だ。気になる洋服のサイズを試すという使い方もできることから「買い物におけるミス」をなくすことができる。店舗に足を運ぶことなく服を試着、購入することが可能になるため「時間がなくてなかなか洋服を買いに行けない人」や「気になる洋服があるが実物を見ないまま購入するのは少し不安だ」という人たちのニーズをとらえていることは明らかだ。

2.商品を簡単に注文、返送

 注文してから通常3日で商品が到着するスピード感が売りであるメチャカリ。それと合わせて、商品返送の手軽さも人気の理由である。返送方法は、洋服を家にある段ボールや紙袋などに詰め、サイトで返送の手続きをして、コンビニかクロネコヤマトなどの配送サービスを使って返却するだけ。なかなか家の外に出れない人は集荷依頼をして家に取りに来てもらうこともできる。

3.収納場所に困ることなく、洋服を楽しむことができる

 洋服をたくさん持っている人が悩まされることの1つとして「収納場所がない」という問題が挙げられる。着なくなってしまった洋服はクローゼットの中に何カ月も放置され、気が付くともう着れなくなっていたり、どう処分すればいいか頭を抱えている人も多い。メチャカリを使えば、借りて、着て、返すというサイクルになっているため部屋に洋服が増えることなく、新作の洋服や気になる洋服を着ることができる。片付けが苦手な人にとっても使い勝手の良い仕組みを備えている。

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