WHOも緊急声明を発表……コロナ禍で変化する、メンタルヘルスとITの関係性

 当初、「ChatPal」は田舎で孤立しがちな人々にとっての心の拠り所として開発されていたものであり、少なくとも今年、来年のローンチは想定外であった。しかし、現在も新型コロナウイルスの患者が増え続けている現状を鑑み、ロックダウンおよび移動制限のメンタルヘルスへの影響が明らかになり次第、サービスを開始予定であるとアルスター大学のレイモンド・ボンド博士はコメントしている。

 ここで疑問なのが、「ロボットやAIが本当に人間の心の拠り所になり得るか?」という点である。オラクル社が世界11ヶ国の社員や管理職を対象に実施した調査によると、82パーセントが「メンタルヘルスには人間よりもロボットが介入したほうがよい」と回答。さらに、「ストレスや不安事に関しては、上司よりもロボットのほうが話しやすい」と回答した人は過半数に及んだ。世間に衝撃をもたらしたオックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授(論文を発表当時の肩書き)の論文では、看護師をはじめ、温かみのある対応が求められる職種は、AIやロボットに代替されにくいとする結論が下されただけに意外な結果となった。

 コロナ禍をきっかけに廃れる仕事もあれば、新たに生まれる仕事もある。後者の一例がAIセラピストであり、AIセラピストをサポートする人材が求められるかもしれない。

(画像=Pexelsより)

■大澤法子
翻訳者、ライター。AI、eスポーツ、シビックテックを中心に動向を追っている。

〈Source〉
https://www.irishtimes.com/sponsored/ulster-university/research-using-ai-to-help-support-mental-health-during-the-pandemic-1.4367338

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