「5Gが新型コロナを広めている」との陰謀説で、基地局アンテナが放火される
しかし消えない陰謀説
そうした事実はかねてから公表されていました、しかし5G陰謀説を信じる人は一定数おり、5Gの基地局アンテナを設置させまいと光ファイバーケーブルを備え付ける作業員の妨害を試みる人もいました。
女性が「5Gが人を殺す」というとんでも理論を振りかざし、設置しようとしていた作業員の妨害を試みています。
英国のデジタル・文化・メディア・スポーツ省(DCMS)は、SMSネットワークに対して誤報の拡散防止を呼びかけています。また、YouTubeはこういったデマの流布に対処すべく、新型コロナウィルスと5Gを結びつける動画を削除していくと発表しました。
しかし、英国ではインフラを担う5G基地局アンテナを燃やすように呼びかけるFacebookグループがおり、今は削除されたものの、影響された人たちが今でも5G基地局の放火を勧めているそうです。
陰謀説やデマを信じないために
陰謀説やデマは人々の不安な心に忍び込み、正常な判断力を奪っていきます。しかし大切なのは、鵜呑みにしてしまわずにソースを追って見極めることです。そのソースがどんなメディアなのかは他の記事の内容を見れば分かります。記事を執筆している人やソース元の発言者も検索してみると、どんな思想を持って発信しているのかが理解できます。また、一つの目安として、数字の裏付けがない内容は科学的根拠が薄いデマである確率が高いとも考えられるでしょう。
もしくは、不安に駆られて判断力が鈍ってきていると感じたら、いったん新型コロナウィルス関連のニュースをシャットアウトしてみるのも手です。私たちは知らず知らず、恐怖心から情報をできるだけ集めようとしてしまいますが、それが必ずしも身を助けているわけではありません。不安を煽るメディアもあれば、楽観視させるメディアもあります。何らかの裏があって人々を分断させようと行動する場合もあります。
「5Gコロナ説」はイギリスだけでなくアメリカでも広まりを見せつつあるそうです。しかし、それを食い止めようと正しい情報を提供しようとしているメディアも沢山あります。実際、「5G」+「Health」で検索すると、5Gが健康被害を引き起こさないといった記事やデマを否定する記事がトップに表示されます。今、世界が一丸になってウィルスと戦わなければいけない時。陰謀説なんかに惑わされず、落ち着いていたいですね。
■中川真知子
ライター。1981年生まれ。サンタモニカカレッジ映画学部卒業。好きなジャンルはホラー映画。尊敬する人はアーノルド・シュワルツェネッガー。GIZMODO JAPANで主に映画インタビューを担当。Twitter
〈Source〉
https://www.theverge.com/2020/4/4/21207927/5g-towers-burning-uk-coronavirus-conspiracy-theory-link