Instagram、ビデオチャット中に友達と投稿を見れるように 広がる“社会的距離”逆手にとったアプリ開発

 新型コロナウイルスの感染を予防するために、日本を含めた世界各地でヒトと一定距離はなれて“社会的距離”を保つことが奨励されている。こうした新型コロナによって生まれた距離に関して、テクノロジーを駆使して有効活用する動きが広がっている。

大切な人とつながるために

 画像共有アプリのInstagramは24日、「Instagramで利用者に情報やサポートを提供し、利用者の安全を確保」と題した記事をアプリ公式ブログに投稿した。この記事には、同アプリにおける新型コロナウイルス対策がまとめられている。その対策とは、以下の通り。

・Instagram検索に教育リソースをさらに追加
・正確な情報の宣伝に役立つスタンプの追加
・信頼できる保健機関の投稿を除く、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)関連のコンテンツとアカウントをおすすめから削除
・寄付用のスタンプをより多くの国に展開し、利用者が最適な非営利団体を見つけて支援できるように改善
・「おうち時間」スタンプを使った共通のストーリーズの作成により、社会的距離戦略を実践している利用者が他の人とつながるのをサポート
・友達と一緒にInstagramを閲覧できるビデオチャットを新たにリリース

 以上の対策のうち、注目すべきはビデオチャット時に友達といっしょに投稿を閲覧できる新機能であろう。この機能は「大切な人とつながれるように」するために開発された、とのこと。使い方はビデオチャット中に画面左下隅に表示される写真のアイコンをタップすると、保存または「いいね!」済みの写真・動画やおすすめの写真・動画を見ることができる(トップ画像参照)。

 また「おうち時間」スタンプとは、このスタンプを使っているフォロー済みアカウントを共通のストーリーズに追加できるというもの(スタンプについては下の画像参照)。スタンプを使っていれば、複数のアカウントを追加できる。この機能は、自宅にいるほかのユーザとつながる助けとなるだろう。

Instagram「Instagramで利用者に情報やサポートを提供し、利用者の安全を確保」

いちばん家にいるのは誰?

 Instagramの新機能や新スタンプは、テクノロジーによって「社会的距離」を乗り越えようとする試みと言える。ソーシャルアプリのなかには社会的距離を乗り越えるのではなく、むしろ積極的に活用しようとするものもある。アメリカ版Tech Crunchは25日、そのようなアプリの事例を紹介している。

 上記記事によると、画像共有アプリSnapchatが傘下に収める位置情報共有アプリZenlyは25日、新機能「Stay At Homeチャレンジ」をリリースした。この機能は、名称からわかるように、自宅にいる時間を競うというもの。具体的には、自宅にいる時間が長いユーザが順番にリーダーズボードに表示される(下の画像参照)。

Tech Crunch「Snapchat’s Zenly launches shelter-in-place leaderboard」

 Zenlyは本来ユーザどうしの位置を確認するためのアプリなので、自宅にいる時間が長いとあまり役に立たない。それゆえ、社会的距離を保つことが推奨されている現状では、同アプリの活用頻度は少なくなる。こうした逆境を逆手にとったのが、今回の新機能である。この機能は、ゲーム的要素によって自宅にいることをうながす「ゲーミフィケーション」の好例と言えよう。

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