だが、そんな正反対の香織と春花も、このテラスハウスでの共同生活を通して、確実にお互いが変化し、歩み寄っている。“本音を喋らない問題”について春花と改めて二人で話した際に、香織は「この家に来て、すごくタフになった。入ってよかったとは思ってた。春花がこういってくれてさ、どうしよう……とは思ってたけど。とはいえ、私はこれでリアルだし、変える部分と変えない部分は自分で選べるし。っていうマインドになってた。いつもだったら、『え、じゃあ変えなきゃ……』とかいろいろ思ってたけど。だから、言ってくれてよかった。ありがとう」と、感謝を述べている。この本音の言葉からは、入居した当初よりも香織が明らかに変化し、自分の芯を貫き通せる強さを身につけたことが伺えた。あの遠慮がちで何よりも和を大事にする香織が、いい意味で周りの声に惑わされ過ぎなくなったのだ。

　そして春花もまたそんな香織の「私は私だから」という言葉を受け入れている。自身の意見と違うところがあっても、これまでのように「でも……」と口を挟むことは決してなかった。では、なぜ今回、春花が香織に“本音を喋らない問題”を提唱したのか。それは、この言葉にすべてが詰まっているように思う。

　「私ばっかりいつも相談して、香織ちゃんがあんまり相談とか来てくれなかったのが、ちょっとだけポッカリしたのかもしれない」。春花は、香織のことが好きだからこそ、自分を頼ってくれないことをずっともどかしく思っていて、どこか寂しかったのかもしれない。そんなときに、香織が「誰に相談していいかもわからなかった。諦めてた。ここ（テラスハウス）の人に相談するの」と心情を吐露。その言葉に春花なりに傷つき、ついカッとしてしまったのだろう。

　二人が本音で言い合ったのは、おそらく初めてのこと。今回、特に香織は傷つき、涙したが、その後、春花と和解しただけでなく、翔平ともグッと距離を縮めた。翔平とは、今回の騒動をきっかけに、本音を打ち明け合ったことから、お互いがずっと勘違いしていたことが判明し、誤解が溶けたのだ。そして本編（16TH WEEK）の最後に、香織はとびきりの笑顔を見せている。まさに、“After Rain Comes Fair Weather”。雨の後には晴れが来た。

（文＝朝陽空）

■番組情報
『TERRACE HOUSE TOKYO 2019-2020』
2019年5月14日よりNetflixにて毎週火曜に新エピソード先行配信（4週に1週休止）
2019年6月11日よりFODにて毎週火曜深夜０時に配信予定（4週に1週休止）
2019年7月よりフジテレビにて、地上波放送予定
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