14歳中学生の名前も! 『ゴジラ』題材の東宝×ALPHABOATクリエイター発掘企画、最終選考会レポート

 4月9日、東宝株式会社とALPHABOAT合同会社が共同運営するオーディションプロジェクト『GEMSTONE』の第一弾プロジェクトの最終選考が開催された。

 『GEMSTONE』は、新たな才能を持った原石(GEMSTONE)を見つけ出し、東宝とALPHABOATが育成環境と活躍の場を与えていこうというプロジェクトだ。第一弾のオーディションのテーマは、東宝の看板キャラクターの『ゴジラ』であったことが大きな話題を呼んだ。ゴジラにインスパイアされた作品であれば、実写・アニメ・音楽・イラストなどジャンルを問わず応募できるという間口の広さがユニークなオーディションだ。

 第一弾ということもあり、どれだけ作品があつまるのか未知数な部分もあったに違いないないが、最終的に集まった作品は1000を超えたそうで、東宝の看板IPであるゴジラの人気の高さが伺える。

 審査員は、樋口真嗣(映画監督)、大田圭二(東宝株式会社 取締役 チーフ・ゴジラ・オフィサー)、山内章弘(東宝株式会社 映画企画部長)、西谷大蔵(ALPHABOAT合同会社 社長)の4名。

 今回のオーディションは、ゴジラに関わる作品であれば、どんなものでも構わないという独特の間口の広さが魅力だ。しかし、短編実写動画とイラストや、衣装などが並んで審査されることになるため、審査基準を明確にしなくては議論が難しくなる。そこで、まずは選考にあたって、2つの基準が示された。

 1つは、GEMSTONEの名前が示すとおり、原石である才能を見つけること。もう1つは、ブラッシュアップすれば、すぐに商品化なり映像化できるものであること。

 GEMSTONEのオーディションはこれが初めて。この選考会でどんな作品が選ばれるかによって、2回目以降の方向性も左右するとあって、選考の議論は慎重かつ白熱したものとなった。

 選ばれたのは以下の5名(団体)。バラエティに富んだ作品が並び、先に示した2つの基準からバランスよく選ばれた。

■柴田晃宏(2本)
「岐阜ゴジラ」「DRESS」

 岐阜市長をも巻き込んで制作し、300人以上のエキストラを集めるなど、企画力と実行力の高さを見せつけた「岐阜ゴジラ」、さらにファッションデザイナーと共同制作した「DRESS」では、ゴジラから着想を得た女性用ドレスを制作するという、他にはない発想が高く評価された。

■上西琢也
「Gvs.G」

 YouTubeでの再生回数も多く(18万再生以上)、非常に人気の高い作品。上西氏はCG制作の大手「白組」に所属しており、『シン・ゴジラ』のCG制作にも関わっている。

■nagafujiriku
「虚構」

 独学でVFX/3DCG映像を制作している19歳。将来性を見込んでの選出となった。

■アトリエこがねむし(島崎淳)
「ゴジばん」

 子ども向けの人形劇。すぐに実用化できそうな完成度の高さ、子供向けのビジネス展開も期待できるとして選出された。

■シンクレア ウィリアム
「映画GODZILLA ゴジラの予告編」

 14歳の中学生の応募。「先読みできない」「まるで観たことがない」「何かあげたくなる」と今回審査員を一番沸かせた作品だった。

 即戦力として期待されている者、将来性を期待された原石とそれぞれバランスよく選出された結果となった。前回、大田氏と西谷氏に取材した際に、両氏は、「未知なるジャンルのクリエイターとの化学反応が必要、新たな才能を自ら仕掛けて見つけたい」と語っていたが、その言葉通りの選考といえるだろう。

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