アプリゲーマーの3割以上がパズルのみの“ゲーム無関心層”!? 「ゲーマーライフスタイル調査」で明らかに

 株式会社ゲームエイジ総研は、10代から40代の男女2000人を対象に「ゲーマーライフスタイル調査」を行なった。今回は、アプリゲーマーの中でも「パズルゲーム好き」にフォーカスし、そのライフスタイルや消費の動向を分析している。

調査結果サマリー

■アプリゲーマーの35.7%が好きなゲームのジャンルは「パズルゲームのみ」と回答
→「パズルゲームのみ」が好きなアプリゲーマーは、女性30代以上が6割を占める

■日頃はゲームとの関与が薄い「パズルゲーム好き」アプリゲーマー
→半数以上が「ゲームは暇つぶし」と回答
→据置型のゲーム専用機は、ほとんど所有していないという結果に

■「パズルゲームのみ好き」なアプリゲーマーが価値を置くのはごく身近な家族や友人
→人の前に出るタイプではなく、周囲と歩調を合わせ、平穏を望む意識が高い層→ごく身近な人との狭く深い関わりを重視

調査の概要

調査対象:全国10~40代男女
サンプル数:2000サンプル ※国勢調査の性年代構成に準じる
調査時期:2018年11月
調査手法:インターネット調査

アプリゲーマーの35.7%が、好きなゲームのジャンル「パズルゲームのみ」

 アプリゲーマーは日本人全体の約6割と非常に大きな規模を持つが、そのアプリゲーマーに人気なゲームジャンルは、「パズルゲーム」53.0%、「RPG」50.0%、「アクションゲーム」44.8% などの回答が多く見られた。さらに、どのようなジャンルの組み合わせが好まれているのかを調査したところ、アプリゲーマーの35.7%が、好きなゲームジャンルは「パズルゲームのみ」と回答していた。他の回答上位では、「RPGゲームとパズルゲーム」(6.8%)、「アクションゲームのみ」(5.6%)、「RPGゲームとアクションゲーム」(5.6%)と、いずれも5%前後という結果で、「パズルゲームのみ」と回答した人が大幅に突出するという結果となった。

 「パズルゲームのみ」が好きなアプリゲーマーの男女比を見ると14:86と圧倒的に女性が多く、世代別では年代が高くなるほど多くなる傾向にある。特に30代女性が24.9%、40代女性が35.7%と、「パズルゲームのみ」が好きなアプリゲーマーの約6割を占めている。
 既婚の子供ありが64.9%、職業は「専業主婦」の占める割合が最も高く35.1%である。

日頃はゲームとの関与が薄い「パズルゲームのみ好き」アプリゲーマー

 調査ではゲーム全般に対する考え方や行動に対し、「ゲームは暇つぶしとしてやることが多い」という回答が51.4%と非常に高く、一方で、「ゲームは脳を活性化すると思う」という回答は7.6%、「自分はゲーマーだと思う」と回答した人は1.1%と、いずれも低い結果が見られた。

 また、所有しているゲーム専用機を見ると「パズルゲームのみ好き」アプリゲーマーは、ゲーム専用機を殆ど所有しておらず、所有が多いものでも「Nintendo 3DS」の5.4%、「Wii U」の4.9%と、いずれもゲーマー全体平均から大きく下回る保有状況だった。

 このことから、「パズルゲームのみ好き」なアプリゲーマーは、能動的にゲームをプレイする意識は低く、ゲームをあくまでちょっとした時間にひとりで行う"暇つぶし"というだけのものと捉えていることがわかる。日頃からゲームとの関与も薄く、必ずしもゲーム自体をポジティブに捉えているわけではないようだ。

「パズルゲームのみ好き」なアプリゲーマーが価値を置くのは?

 「パズルゲームのみ好き」なアプリゲーマーの日頃の考えや行動を聞いたところ、「変化が無くても穏やかな生活を送りたい」という項目が83.8%と非常に高く、また、「周囲と協力することはとても意味のあること」「つい人の目を気にしてしまう」「周囲の状況に合わせて、何事もほどほどにやる」などの項目も7割を超える回答だった。日本人全体平均と比較しても高い傾向です。人の前に立つタイプではなく、周囲と歩調を合わせ、平穏を望む意識が非常に高いことが読み取れる。

 また、流行やトレンドをどんなものから感じるかについては、「雑誌やテレビで良く取り上げられていること」は61.1%と高い一方で、「Web でその情報をよく目にする」や「有名な人の SNS で発信されている」ことに流行やトレンドを感じる人は3割程度だった。「雑誌」や「テレビ」といった、いわゆるマスメディアがトレンドを感じるメインの情報となっているようだ。

 また、どういったものから影響を受けるかという質問では、「恋人・配偶者の言動」が56.2%、「同性友人の言動」が41.6%、「子供の言動」が37.3%となっており、さらに39.5%は「家族との交流」に時間やお金を使っていると回答している。その一方で、「現実逃避」や「知識・教養を高める」「達成感」のために時間やお金を使うことは少ないようだ。

 彼らは日頃、ごく身近な人との深い関わりの中で生活している様子が見えてくる。世の中のトレンドへの関心は受動的で、あまり自分自身の娯楽のためには時間やお金を使わない層でもあるようだ。

 これらのことから、「パズルゲームのみ」好きなアプリゲーマーは、保守的で緩やかな日常を求めており、主に“家族や友人”という小さなコミュニティに価値を置いた人たちであることがわかった。“自分の楽しみは後回し”にしている層であり、ゲーム自体に対して必ずしもポジティブに捉えているわけではないのに、多くの選択肢の中から“暇つぶし”としてでもパズルゲームをプレイしている実態が見える。

 これまで、能動的にならなければ触れることができなかった多くのエンタテインメントが、スマートフォンの普及によって、大きく身近なものとなった。今回のアプリゲーマーの特徴から見ると、今までゲームに積極的に触れようと思わなかった人たちにとって、「パズルゲーム」は、まさにゲームとの距離を縮める重要な役割を担っていると考えられる。このゲーム体験が新しい入り口となり、ファミリー向け、子供向けゲームに対する興味喚起や、ゲーム自体に対するポジティブなイメージ醸成への足掛かりになっていることが充分に考えられる。

 また、今回の「パズル好きのみ」アプリゲーマーの人物像や特徴を見ると、今までのゲームユーザーではなかった新たなマーケットの存在が、垣間見える結果となった。多様化するライフスタイルや考え方を持つ人が増え、ネットワークの進化で物理的にも顧客との接点が増えた昨今、この「パズル好きのみ」アプリゲーマーの事例のように、ライフスタイルにあわせた価値を提供することで、あらゆる業種やコンテンツにおいても、これまではユーザーではない層がユーザーとなるような “新しいマーケット”を見出すことができるのではないだろうか。

■関連リンク
ゲームエイジ総研公式サイト:https://www.gameage.jp/

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