【検証してみた】『アサシン クリード オデッセイ』の世界はどこまで忠実に作り込まれているのか?

胸毛が一部分だけハゲている怪物がいる?

狩猟の神アルテミスが抜いた胸毛

 狩猟の神アルテミスには、幼い頃自らを抱き上げたサイクロプスのブロンテスに怒り、ブロンテスの胸毛をひとつかみ引き抜いたという神話がある。その後ブロンテスは抜かれた場所の胸毛が死ぬまで生えてこなかった、と言い伝えられている。

 そして『アサシン クリード オデッセイ』にも、一つ目の巨人ブロンテスが登場する。言い伝え通り胸毛が一部分だけハゲているのか、調査してみよう。

検証結果:そもそも胸毛は生えていない……しかし?

 ブロンテスに会うため、わざわざセーブデータまで巻き戻してブロンテスの待つ島へと向かった。レベルが低いせいで海賊船に襲われた挙げ句、海に投げ出されサメの餌食になるトラブルにも見舞われたが、なんとかブロンテスと相まみえられた。さあブロンテス、おまえの一部分だけハゲている胸毛を見せてくれ。

 あれ? 生えていない。一部分どころか胸毛が一本も生えていない。

 しかし、よく見れば右胸のあたりに血の色が混じった茶色のアザのようなものがある。もしやこのアザの部分がアルテミスに胸毛を抜かれた部位なのかもしれない。そして胸毛が一部分だけないのを恥ずかしく思ったブロンテスは、慣れない手つきで胸毛を処理した、というのは考えすぎであろうか。だとすればまたしても『アサシン クリード オデッセイ』の時代考証が精確だったことになる。

間違い探しのように楽しむ『アサシン クリード オデッセイ』

 今回この記事のために、古代ギリシャにまつわる書籍を片手に『アサシン クリード オデッセイ』をプレイしたが、史実や神話の内容がゲーム内の要素とリンクしたとき、細部まで行き届いたこだわりにニヤりとさせられた。

 本作は普通にプレイしても十分楽しめる作品だが、古代ギリシャの知識をつけてから、あるいはつけながら遊べばより楽しめるゲームになっている。

 攻略本の代わりに歴史書を開いてゲームを遊ぶのも一興だ。

参考文献
藤村シシン『古代ギリシャのリアル』実業之日本社
『地球の歩き方’13~’14 ギリシアとエーゲ海の島々&キプロス』ダイヤモンド社

■脳間 寺院(のうま・じいん)
京都生まれポケモン育ち、ボンクラオタクはだいたい友達。「ゲームをもっと面白く」をモットーに記事を書くゲームライター。Twitterにてゲームにまつわる各種情報や与太話を発信中。Twitter:@noomagame

アサシン クリード オデッセイ 【CEROレーティング「Z」】 - PS4

■アサシン クリード オデッセイ
タイトル:アサシン クリード オデッセイ
メーカー:ユービーアイソフト
対応機種:Nintendo Switch、プレイステーション4、Xbox One、PC
発売日:2018年10月5日発売予定
価格:各8400円[税抜](各9072円[税込])
※Nintendo Switch版『アサシン クリード オデッセイ クラウドバージョン』は730日間プレイ券が8400円[税別]となります。
CERO:18歳以上のみ対象

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