最新作『Fallout 76』が発売決定 荒廃した世界を生き抜く、シリーズの魅力を解説

 6月10日に行われたBethesda E3 2018 Showcaseにて、人気RPG『Fallout』(フォールアウト)シリーズの最新作『Fallout 76』が11月14日に発売されることが明らかとなった。

 『Fallout』と言えば、ファンタジーではなく、現代の文明社会に即したリアルな世界観のポストアポカリプス作品として、世界中のゲームファンの支持されているシリーズだ。しかし、未プレイのユーザーからすると、一般的なRPGとどこが違うのか、わかりづらい部分もあるかもしれない。そこで本稿では、新作の発売決定に合わせて、1997年から2018年現在まで続く『Fallout』シリーズのゲーム内容やこれまでの歩み、各作品に共通する本質的な魅力について解説する。

核戦争後のリアルな週末世界を描いた『Fallout』

Fallout: A Post Nuclear Role Playing Game

 1997年にInterplayから発売された『Fallout』の1作目は、見下ろし方視点で進行するRPGだった。シミュレーション要素が強く、世界観もハード。『Fallout』『Fallout2』(1998年)は日本未発売だったとこもあり、当初はコアゲーマー向け作品という立ち位置であった。

 その後に『Fallout Tactics:Brotherhood of Steel』(2001年)、アクション性をより強化した『Fallout:Brotherhood of Steel』(2004年)といった外伝作品を挟み、開発がInterplay傘下のBlack Isle StudiosからBethesda Softworksに移る。そして2008年、Bethesda Softworksは『The Elder Scrolls』シリーズの開発エンジンを用いて、PC用ソフト時代とは異なる『Fallout3』を制作した。核戦争で文明が崩壊した世界観がそのままに、オープンワールド方式を採用したRPGとして生まれ変わった。ここからは後の『Fallout』シリーズ作品は、3Dモデリングで描かれたフィールド上を自由に冒険するアクションタイプの作品へと舵を切り、大ヒットを記録していく。

サバイバルの厳しさを教えてくれるゲームシステム

Fallout 4

 さて、『Fallout』シリーズは初代から最新作の『Fallout4』(2015年)に至るまで、我々人類が近い未来で直面するかもしれないif(もしかすると)の世界を舞台に据えた作品だ。石油や天然ガスなどの環境資源の枯渇が引き金となった核戦争により、ゲーム内の世界は、巨大ゴキブリやグール、スーパーミュータントが練り歩く異様な様相を呈す。しかし、天空を悠々と羽ばたくドラゴンや神秘の魔法使いは存在せず、あくまで現実の世界と地続きだ。

 ストーリーは作品ごとに異なるものの、基本的には主人公がVaultと呼ばれるシェルターから旅に出発する場面から始まる。フィールドは辺り一面は焼け野原......というわけでもなく、意外と動物が生息していたり、時には地上に暮らす人間とも交流をはかることができる。しかし、文明が崩壊しているのは事実なので、地上の探索は常に危険と隣り合わせだ。武器も持たずに歩き回るだけで、狂暴な野犬やグールに叩きのめされるのも珍しくない。そして数少ない人間に話しかけても、最初は信用されずに手ひどく扱われることもある。殺伐としたゲームに思えるが、この「世界全体から邪険にされる感覚」に慣れた日には、とりつかれたように『Fallout』でサバイバル生活を送る羽目になることだろう。

 過酷な状況下でのサバイバルにおいては、放射能に汚染された醜悪な敵や冷酷無比なレイダー(人間)から身を守るためにも戦闘は避けて通れない。『Fallout4』では、粗末なパイプライフルから本格的なショットガン、強力なヌカランチャーなどの武器を用いてFPS/TPS戦闘が可能だ。オーソドックスに遠距離から銃撃するも良し、中距離から『北斗の拳』のザコ敵宜しく火炎放射器で「汚物は消毒」しても良し、思い切って拳で接近戦を試みても良しと、戦闘面はユーザーの好みや状況に応じて戦略が立てられる。

 また、APを消費して敵の部位ごとに攻撃を加える「V・A・T・S」システムも特徴的だ。発動すると画面がスローとなり、プレイヤーが選択した敵の部位へオートで攻撃できる。離れた場所にいる敵や素早く動き回る敵にもヒットするので、アクションが苦手なプレイヤーにも便利な機能である。全体を通してゴア表現が目立つ作品だが、寸分の狂いもなくヘッドショットが華麗に決まると、その爽快感に病みつきになることだろう。

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