FF7の音楽はなぜ愛され続ける? 植松伸夫の作家性とゲーム音楽から考察

 さらに同氏は植松氏のオーケストラ公演の魅力についても続けた。

「植松さんは演奏家や用途にあわせて多岐に渡るリアレンジを原曲に施しており、定番曲であっても様々なバージョンが存在します。ちなみに、アマチュアの演奏家と演奏する際は吹奏楽によるアレンジをしていました。また、通常のオーケストラではあまりないことですが、植松さんはクオリティの高い音楽を聴いてもらうだけでなく、お客さんやファンに盛り上がってもらうこと、楽しんでもらうことを大事にしています。公演の際は観客の中から『ブラボー』と言う係を選んだりもしています。音色においても実験的な取り組みを行う方ですが、音楽を媒介にしてファンと“つながる“ところも植松さんの魅力で、大御所でありながら今の時代のクリエイター像として相応しいと思います」

 ハードウェアの進化に伴い、ゲーム音楽の分野においても新しい道を切り開いたと言えるFF7。すでにリメイクも決定しており、その際はゲーム音楽にどのような進化が見られるのか、期待に胸が膨らむばかりだ。

(文=泉夏音)

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