ECショッピングは新時代へ MR空間で洋服が買える「chloma x STYLY HMD collection」体験レポート

 株式会社Psychic VR Labとデザイナー鈴木淳哉のファッションレーベル「chloma(クロマ)」は、MR空間でショッピング体験ができ、購入まで可能なアプリ「chloma x STYLY HMD collection」をMicroSoftストアにて公開した。

chloma x STYLY HMD collection Demo

 現在、ECサイトで洋服を購入することは珍しくなくなったが、実際届いたものを見てみると裾や丈、色までもイメージに差があったり、自分が望んだ通りの一着を手にするのは、意外と難しい。

 そんなECショッピングの問題を解決するかもしれないのが、MRショッピングだ。次世代のショッピングコンセプトのひとつとしてリリースされた本アプリは、MicrosoftのMRグラス・Hololens(ホロレンズ)を装着し、アプリを開くと現実空間に投影される実寸大の3Dモデルをあらゆる角度から見ながら、買い物を楽しむことができる。また、Dover Street Market Ginzaのように、店舗ごとにデザイナーのこだわりを感じられる演出をアプリ上で展開することも可能で、一般のECサイトと比較して、ブランドイメージが体感的に伝わりやすいのが特徴だ。

 コンセプトデザインを設計したメディアアーティストのゴッドスコーピオン氏は、今回のプロジェクトについてこう語る。

「MRの一般普及は次期MRデバイスの登場から数年以内だとと考えていて、それまでに物の見せ方や演出の地盤を作るのが重要で、今回のプロジェクトもその一環です。ヴィジュアルが強いハイファッションブランドの世界観を空間体験的に感じられ、ブランドの世界観やその服の詳細な情報がわかると、デザインの感じ方が違ってきますよね。身にまとう空間としてのMRにおける、ショッピングUIのプロトタイピングができたように思います」

 筆者も実際に体験させてもらった。目の前に広がる空間はショッピングに最適化されており、4ヶ国語に対応していたり、SNSでシェアでき、確認したいアイテムの切り替えも瞬時に行うことができて、ある意味では実際の買い物体験以上の利便性を感じた。現在の2次元空間で行われるECショッピングより、サイズ感も含めて立体として見られる分、安心感があり、目の前に見える服が本当に欲しくなってしまう、新しい買い物体験だった。

 本サービスはアメリカ合衆国テキサス州オースティンにて行われたテクノロジーの祭典「SXSW」でも展示され、反響を呼んでいる。今後、世界から逆輸入され、日本に普及することもあるかもしれない。

(取材=編集部)

Windowsストア:https://www.microsoft.com/en-us/store/p/chloma-x-styly-hmd-collection/9pnqv3g43ngk
chloma Official Site:http://www.chloma.com/
chloma x STYLY HMD collection HP:http://chloma-hmd-collection.com/

関連記事