リリー・フランキー主演×ウェイン・ワン監督 『Diary of a Mad Old Man』2027年夏公開決定
ウェイン・ワンが監督を務めたリリー・フランキー主演映画『Diary of a Mad Old Man(原題)』が、2027年夏にテアトル新宿ほかにて全国公開されることが決定した。
作家・谷崎潤一郎の最後の長編小説『瘋癲老人日記』を現在の東京を舞台に映画化した本作は、脳卒中で半身不随となった老人と、そのリハビリのために訪ねてくる長男の妻との関係を描いた人間ドラマ。第39回東京国際映画祭ガラ・セレクション部門に出品され、11月3日の上映後の舞台挨拶にて公開時期が明かされた。
監督を務めたのは、中国人キャストを主要キャストに起用したハリウッド映画『ジョイ・ラック・クラブ』で興行的な成功を収め、ハーヴェイ・カイテル主演の『スモーク』でベルリン映画祭銀熊賞を受賞したウェイン・ワン。『万引き家族』『ルノワール』などに出演したリリー・フランキーが主人公ウツギを演じ、『ブッダ・マウンテン』で2010年東京国際映画祭最優秀女優賞を受賞したファン・ビンビンが長男の妻スースーを、長男・ジョウキチ役を斎藤工がそれぞれ演じる。
脳卒中からの回復過程にある、身体の不自由な69歳のウツギ。やがて介護をしてくれる義理の娘スースーに次第に執着するようになり、衰えていく身体とは裏腹に、性への欲望は激しさを増していく。2人の緊張をはらんだ関係は、やがて誘惑と妄想の境界を曖昧にしていく。
あわせて場面写真5点も公開。追加キャストについては第2弾発表で明かされる。
また、第39回東京国際映画祭ガラ・セレクション部門での上映後に行われた舞台挨拶には、ウェイン・ワン監督、リリー・フランキー、斎藤が登壇した。上映後、会場は温かい拍手に包まれ、監督は観客への感謝を口にした後、「明日(11月4日)は、リリーさんの誕生日なんです」と呼びかけ、客席からは祝福の拍手がわき起こった。
63歳となるリリーは「イヤですね、どんどんジジイになっていくと、こう(=映画の中の主人公のように)なっていく……(苦笑)。(劇中で演じた主人公ウツギと違って)まだ俺はビンビンですから!」と語り、会場は笑いに包まれた。本作については「いろんな国際映画祭で上映して、大好評と大不評を味わっています(笑)。『全く受け付けない』という(映画祭の)ディレクターもたくさんいたし、『大好き!』という人もいるという、まさに俺と工くんが一番好きなタイプの映画です」と明かした。
斎藤は「リリーさん経由で、ウェイン・ワン監督が谷崎を映画化しようとしていると、遥か彼方の情報として聞いていたので、いち映画ファンとしてこの映画が完成してみなさんに観ていただけたことを幸せに思っています」と挨拶した。
企画の経緯についてリリーは「そもそも、ウェインから『“老人の性”をテーマにした映画を撮りたい』と10年ぐらい前から聞いていて、プロットを書くのを相談されていたんですけど、『いろんなアメリカの俳優に断られているから、もう、お前でいい』って言われて、『え? 俺、出るんだ?』と思いました(笑)」と振り返る。これに対しウェイン・ワン監督は「断ったのは彼ら(=ハリウッドの俳優)じゃなくて、私のほうです。みなさん、マーロン・ブランドが(日本を舞台にした映画)『八月十五夜の茶屋』に出ていたのを覚えていますか? やはり、この映画に白人の男性が出演するのは、非常に違和感があると思うんです」と語り、リリーがファーストチョイスであったと強調した。
リリーは「紆余曲折あって、日本人と中国人(ファン・ビンビン)のキャストで、中国系アメリカ人のウェインが撮るアメリカ映画という、一番平和な成り立ちになりました。やはり『エロは世界をつなぐ』!」と共に映画をつくることになった経緯を明かした。
■公開情報
『Diary of a Mad Old Man(原題)』
2027年夏、テアトル新宿ほか全国公開
出演:リリー・フランキー、ファン・ビンビン、斎藤工
監督:ウェイン・ワン
原作:谷崎潤一郎『瘋癲老人日記』
配給:東京テアトル