『ブラッサム』“珠”石橋静香に訪れた新たな出会い 引け目を感じる“保”金子大地の心境は

 東京での生活に続き、働き口を見つけたことで、新たな世界へと進んでいく葉野珠(石橋静香)。どんなに頑張っても、噂のせいで仕事が見つからなかった岩国での生活と比べれば、どんな環境だとしても珠にとってはありがたい。

 連続テレビ小説『ブラッサム』(NHK総合)第23話は、YOASOBIの主題歌「咲き誇れ」の「爪弾かれるような別れもいつか、心弾む出会いに繋がって」の歌詞を思わせる、新たな出会いが描かれる回だった。

 まず、西洋レストラン「悠樂軒」でのウエイトレスの同僚たちとの出会い。初対面のスギ(愛)とヨネ(誠)はもちろん、松子(瀬戸さおり)にも改めて挨拶。店長の熊田(斎藤司)も丁寧に仕事を教えてくれる。

 珠がはじめて接客することになったのは、「悠樂軒」に訪れた「首都公論」の編集長・黒崎大三郎(遠藤憲一)と副編集長・山中勇三(井浦新)。一人宴会をするかのように料理を注文しまくる黒崎は、豪快を絵に描いたような人物。一方、山中は見るからにクールな人物にだ。2人の仕事ぶりはまだ描かれていないが、勢いで進んでいく黒崎を冷静にサポートする山中の様子が目に浮かぶ。今後、珠とどのようなやりとりを見せるのか楽しみになる初登場だった。

 熊田からきれいにするように言われ、久しぶりに化粧をした珠。黒崎からは仕事ぶりを評価されたのか、帰り際に50銭の心付けをもらう。

 化粧をしてもとがめられず、前向きな言葉をかけてもらえる。目に映るものはすべて新鮮で、心が踊る。珠が東京という街にフィットしていることが伝わってくる。

 そんな珠に、保(金子大地)はどうしても引け目を感じているようだ。下宿代を工面するために、働かせていることが申し訳ないのだろう。保も新聞配達をすると申し出る。珠が下心を向けられているのではないかと心配する保の嫉妬も、化粧に気づいてほしそうにソワソワしている珠もかわいらしかった。宙ぶらりんな状態が続いている2人は、どのように結ばれるのだろうか。

 珠は東京での刺激的な日常を脳内で処理するかのように、机に向かう。「岩国、東京、私」「東京、私、岩国」というセリフは、珠が土地が変わっても変わらない自分自身の輪郭を捉えているかのように感じられた。

 史実を踏まえると、宇野千代が『中央公論』の滝田樗陰に送ったとされる『墓を暴く』になる展開だ。珠は岩国と東京と自分を見つめて、何を書いているのだろう。

 終盤には、珠と秋山格之助(高良健吾)との再会が。東京でのさまざまな文豪や編集者との出会いの重なりが、珠を小説家へと導いていく。今はまだ固く閉ざされた才能のつぼみは、いつ芽吹くのか。

■放送情報
2026年度後期 連続テレビ小説『ブラッサム』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00~8:15放送/毎週月曜から金曜12:45~13:00再放送
NHK BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜8:15~9:30再放送
NHK BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:石橋静河、加賀まりこ、松たか子、国仲涼子、渡部篤郎ほか
作:櫻井剛、小松與志子
主題歌:YOASOBI
制作統括:村山峻平、櫻井壮一
プロデューサー:大野陽平
演出:盆子原誠、中泉慧、佐藤玲衣、田中陽児、小林直毅、野田雄介
写真提供=NHK

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