『VIVANT』宿敵のはずのシンシーが弱すぎる? テントとの落差から見えた逆転の可能性
堺雅人主演のTBS日曜劇場『VIVANT』第2シーズンにおいて、敵として描かれているのが、“中国の別班”と呼ばれる「シンシー」だ。表向きは多国籍の民間情報機関を装いながら、その実態は中国の公安と結びついた巨大な秘密組織。しかし、物語が後半に差し掛かるなか、シンシーの“実力”に、眉をひそめる視聴者も増えている。
第1シーズンで圧倒的な存在感を示したのが、ノゴーン・ベキ(役所広司)率いる「テント」であった。ベキの持つ孤児救済という崇高な目的やカリスマ性は、単なる犯罪組織にとどまらない“立体的な魅力”を作品に与えていた。これに対し、第2シーズンのシンシーは、黒須(松坂桃李)ら5人の別班員を拘束し、拷問で情報を聞き出そうとする残虐性を見せる一方で、情報戦では別班に後手を踏むポンコツぶりも目立つ。
また、劇中におけるシンシーの描写からは、組織的な脆弱性も見えてくる。宮下今日子演じる最高責任者ハン・リンシンが情報ブローカーに頭を下げる場面があったように、裏社会での立場は決して高くはない。さらに黒須を急襲した際にも、乃木家の守り刀を発見した工作員が手柄のために報告を怠るなど、現場の独断行動も見受けられた。こうした点が、テントに比べて怖さや不気味さを感じにくいという声があがる要因にもなっている。
それでも、シンシーが物語上で果たす役割は極めて大きい。彼らの目的は、最新の核融合技術を確立させた科学者エリシャ・ママドフ(マナフ・ダダショフ)の研究成果を独占することにある。おそらくは、核融合の運用には高純度のフローライトが必要で、テントが持つその採掘権を握るため、シンシーがエリシャの娘と思われるジャミーン(本間さえ)の拉致の画策や、テントが運営する孤児院を見つけ出して脅迫する展開も予想されるところだ。
ハン・リンシンは過去に別班との因縁があることも示唆されており、このままやられっぱなしで退場するとも思えない。一方で、作中では別班員を掴まれ、野崎を出迎えた際に、「首がつながった」との本音も漏らしており、彼女がただの中間管理職であることもうかがえる。今から“黒幕”を登場させるには、話数が足りなさそうだが、一部報道で噂される「劇場版」でシンシーのボスが登場する可能性は十分にありえそう。