芦田愛菜の演技にはなぜ絶大な安心感があるのか 『南田南弁護士は天才肌』に集まる期待
リメイク作品において、本家ファンを納得させられるかどうかはヒットの大きな鍵となる。原作への敬意を保ちながらも、その国ならではの魅力をどう加えるのか……。その難題に挑む作品が、10月19日より放送される芦田愛菜主演のドラマ『南田南弁護士は天才肌』(カンテレ・フジテレビ系)だ。
本作は、世界的なヒットを記録した韓国ドラマ『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』を日本版としてリメイクした作品である。韓国版では、自閉スペクトラム症を抱えながら弁護士として働くウ・ヨンウをパク・ウンビンが好演。
ウ・ヨンウは驚異的な記憶力を持ち、ソウル大学を首席で卒業した天才として描かれた。一方の南田南も、東大法学部を首席で卒業し、司法試験をトップで突破した新人弁護士という設定である。
ウ・ヨンウは、「クジラ」「法律」「キンパ」など、自分の好きなものを素直に言葉にしていく愛らしさが魅力的なキャラクター。南田もまた、「キツツキ」「トマト」「スイス」「子猫」「新聞紙」と脈絡のない単語を並べた後に「南田南です」と名乗る独特な自己紹介をして、周りを驚かせていく。ときには、「上から読んでも下から読んでも南田南」と自己紹介をすることも。そんな南田は、周囲から「自己紹介もまともにできない人間に弁護士が務まるとは思えない」と冷ややかな視線を向けられてしまう。
しかし、彼女は持ち前の明るさと真面目さで、少しずつ周りの人々の心を動かしていく。どこか不思議でチャーミングなキャラクターは、日本版にもきちんと受け継がれているようだ。
予告編を見る限り、芦田愛菜は外見だけでなく、仕草や視線の動きに至るまで、ウ・ヨンウというキャラクターへの深いリスペクトを感じさせる演技を見せている。ぱっつん前髪のおかっぱ姿はもちろん、会話中に視線が定まらない様子や、指を大きく開いて動かす独特の癖など、細かな所作にもきちんと向き合っていることがうかがえる。
その姿からは、オリジナル版への深い敬意と、「この作品が持つ魅力を損ないたくない」という真摯な思いがひしひしと伝わってくる。
一方で、二人の瞳に宿る印象には、微妙な違いもあった。ウ・ヨンウが好奇心に満ちた澄んだ眼差しを持つのに対し、南田南の瞳からは、より真っすぐで芯の強い意志が伝わってくる。不安そうな表情を見せる場面もあるが、その奥にはどんな苦難にも屈しない強さがのぞいていた。
とりわけ印象的だったのは、予告映像で「うれしいときの顔はこうですか?」と問いかけられ、にこりと笑みを浮かべるシーンだ。どこかぎこちない笑顔でありながら、その眼差しは凜としている。葛藤や戸惑いを抱えながらも、自分なりに前を向こうとする姿が滲んでいた。
その笑顔を見た瞬間、芦田愛菜がこれまで演じてきた数々の役柄が脳裏によみがえった。