『波うららかに、めおと日和』続編の愛おしい幕開け 芳根京子&本田響矢が示す“夫婦の絆”

 そして、二人のやり取りをここまで愛おしいものにしているのが、芳根京子と本田響矢の表情だ。回想から現在に戻り、葉書の秘密を知られていたと気づいた瀧昌は大慌て。葉書を取り上げられたなつ美は、「でもいただいた以上、私のだもん」と訴える。もじもじしながらも譲らない、その可愛さ。「だもん」に心の中で悶絶しつつ、平静を装おうとする瀧昌にも、つい頬が緩む。

 なつ美に葉書の件のお詫びで何をしてほしいか尋ねられた瀧昌が、膝枕を思い浮かべる場面もたまらない。膝枕をしてもらうのは甘えているようで恥ずかしい。でも、一度くらいはしてもらいたい。膝枕をお願いするだけのことに、頭の中では大騒ぎが起きている。その葛藤をコミカルに伝える本田の表情から、目が離せない。

 結局、口にできたのは肩叩きのお願い。そこから互いの肩を揉み合い、眠ってしまった瀧昌の体をなつ美が動かそうとするうちに、思いがけず膝枕がかなう。頭を撫でたいと思っていたなつ美も、そっと彼の髪に触れる。まだ照れや遠慮はあっても、相手の疲れを気遣い、さりげなく触れ合える親しさが二人の間に育っていることを実感した。

 こうした現在の姿と、新婚当時の思い出を行き来する初回の構成も見事だった。前作を振り返ることで、初めて見る人には二人がどんな夫婦なのかを伝え、その合間にあった出来事を描くことで、ずっと二人を見守ってきた人の心も満たす。家族や友人たちも、手紙の相談や街でのひとときに自然と顔を出すから、再会の喜びは二人だけにとどまらない。

 結婚祝いの相談から、手紙、匂い、銭湯の思い出へ。夫婦の会話に沿って、この作品の魅力が次々と顔をのぞかせる。二人の可愛さを存分に楽しみながら、現代の暮らしや、自分が誰かに思いを伝えるときのことまで考えてしまう。何気ない日常を見せる一話の中に、これだけのものが収まっている。過不足のない幕開けとは、こういうことではないだろうか。

 ただ、その幸せな時間を、安心して眺めてばかりもいられない。冒頭、活動弁士(生瀬勝久)は昭和十二年の盧溝橋事件に言及し、日中戦争へと向かう時代であることを告げていた。夜には、なつ美が「もし生まれ変わっても瀧昌様に出会いたい」と願った直後、沈んだ表情のふゆ子が家を訪ねてくる。次回予告では、「戦地に行くことが祝い事? 冗談じゃない」という不穏な台詞も。

 生まれ変わっても、という願いは可愛らしい。けれど、まずは今の人生で、ずっと一緒にいてほしい。食卓を囲み、手紙を読み返し、膝枕に照れる。戦争が引き裂くのは、こんなふうに互いを大切にしている人たちの暮らしなのだと、二人への愛着が深まるほどに思い知らされるのだ。

 この先も、なつ美と瀧昌を見ていたい。同時に、日本がたどる歴史を知る私たちには、時が進むのを見たくない気持ちもある。胸がときめくほど、切なさも募る『めおと日和』。これからも二人が「ただいま」「おかえり」を交わしていけるようにと、願わずにはいられない初回だった。

■放送情報
『波うららかに、めおと日和』(続編)
フジテレビ系にて、毎週木曜22:00~22:54放送
出演:芳根京子、本田響矢、生田絵梨花、小関裕太、小宮璃央、咲妃みゆ、小川彩(乃木坂46)、戸塚純貴、森カンナ、高橋努、紺野まひる、生瀬勝久、和久井映見
原作:西香はち『波うららかに、めおと日和』(講談社『コミックDAYS』連載)
脚本:泉澤陽子
音楽:植田能平
主題歌:Da-iCE「うららか」
挿入歌:BE:FIRST「夢中」
演出:平野眞、森脇智延(FILM)、國武俊文(FILM)
プロデュース:宋ハナ、貞松瑠南
制作プロデュース:古郡真也(FILM)
制作協力:FILM
制作著作:フジテレビ
©︎フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/meotobiyori/
公式X(旧Twitter):https://x.com/meotobiyori

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