『ブラッサム』“島村”工藤阿須加は本当に好青年? “珠”石橋静河へかけた一言に注目
10月13日放送の連続テレビ小説『ブラッサム』(NHK総合)第12話では、珠(石橋静河)の同僚教師として、島村(工藤阿須加)が登場した。
珠が尋常小学校の代用教員になって1カ月が過ぎた。取り組みの甲斐もあって、次郎(渋谷そらじ)は算数が上達。初めての給料をリョウ(国仲涼子)に差し出す珠の表情は晴れやかで、充実した毎日を過ごしていた。そんな日々に変化の兆しが訪れる。
1学期の終わりに差しかかると、次郎は休みがちになった。心配する珠に、先輩教師の関(高阪勝之)は「2組の担任は子守り」だから余計なことはしない方がいいと言う。ある日、女学校の同級生の忍(木竜麻生)が来宅。稲子(華優希)やタエ(中井千聖)はそれぞれ結婚し、忍にも縁談の話があった。「選びたいのは旦那様ではなく生き方」と言う忍は、珠に決意を打ち明ける。
「逃げることにした」
「どこへ?」
「東京」
逃げるのではなく「挑む」と言い直した忍は、記者になりたいと話す。「自分の気持ちを言葉にしたい」「うちには書くことしかないけん」と語る忍はすでに覚悟を決めていて、珠に伝えに来たのだろう。なぜなら珠は「『黎明』の同志」だからだ。唐突に訪れた別れは珠の心を大きく揺さぶった。
第12話の終盤では、珠の初恋の相手となる島村が登場するのだが、初対面のエピソードに至る珠の心境の変化を丁寧に描いていたのが印象的だった。
幼なじみの梅(松本穂香)の嫁入りの日。見送る珠には、周囲の人々と別の風景が見えた。梅の心は徳一(井上拓哉)にあり、互いに引かれ合っているのに、家が決めた結婚を覆すことができない。梅の笑顔の裏にある葛藤と徳一のつらさを珠は知っている。「自由恋愛」という言葉が重みをもって迫ってくる。
「子守り、自由恋愛、挑む、同志、大人、子ども、男じゃったら、女じゃったら」
初めてメイクをする女性がどんな気持ちか、筆者にはわからない。けれども、周囲が自分に求める役割、忍の決意、梅の心情、女である自分、そうしたことが珠の中で積み重なり、それまでと違う自分になる願望としてあふれ出す瞬間を映像はとらえていた。
新学期になり、2年1組の担任として島村が着任。珠とは職員室の隣の席になる。化粧をして登校する珠に、教頭の上野(阪田マサノブ)は「カッフェの女給じゃあるまいし」「化粧なんて男にこびるためにしよるんでしょ」と罵倒。そこに助け舟を出したのが、新任の島村だった。
島村のキャラクターについて、現時点で言えることは多くない。女性の化粧に理解がある男性という以外に、気になったのは「よくお似合いですし」の一言だ。初対面の女性に、「メイクが似合っている」とさらりと言えてしまうのは、女性の扱いに慣れた軽い男ではと勘繰ってしまう。この言葉の真意が明らかになることを期待したい。
■放送情報
2026年度後期 連続テレビ小説『ブラッサム』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00~8:15放送/毎週月曜から金曜12:45~13:00再放送
NHK BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜8:15~9:30再放送
NHK BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:石橋静河、加賀まりこ、松たか子、国仲涼子、渡部篤郎ほか
作:櫻井剛、小松與志子
主題歌:YOASOBI
制作統括:村山峻平、櫻井壮一
プロデューサー:大野陽平
演出:盆子原誠、中泉慧、佐藤玲衣、田中陽児、小林直毅、野田雄介
写真提供=NHK