『ポリティカルパン』で石原さとみの“小悪魔性”が再び? “女ルパン”のしたたかな姿に期待
一方で、『アンナチュラル』の三澄ミコトは、それまでとはまた違った石原の代表的なキャラクターとなった。感情を大きく表に出すのではなく、淡々と仕事に向き合いながら、ふとした瞬間に自身の過去や意志の強さをのぞかせる。さらに映画『ミッシング』(2024年)では、娘の失踪によって日常を失った母親・沙織里を演じ、怒りや焦り、悲しみといった感情を生々しく映し出した。
そう考えると、『ポリティカルパン』は、これまで石原が見せてきたさまざまな顔が重なり合う作品にもなりそうだ。自由奔放でミステリアス。人の懐へ入り込む高いコミュニケーション能力を持ちながら、その本心は簡単には読ませない。野木も弥生について、石原が「テンション低めに軽快に、コケティッシュな魅力」を発揮するとコメントしており、『失恋ショコラティエ』で見せたような華やかな小悪魔性をそのまま持ってくるのではなく、現在の石原だからこそできる、もっと温度を抑えたしたたかさが見られるのではないだろうか(※1)。笑顔で人を翻弄するというより、相手が気づかないうちに懐へ入り込み、いつの間にか主導権を握っている。そんな弥生を想像するだけでワクワクしてくる。
さらに、弥生と騙し合いを繰り広げる与党の金庫番・夏目将門を高橋一生が演じるのも楽しみだ。感情の内側を簡単には見せない高橋の芝居は、弥生との駆け引きにもよくハマりそう。本心を隠した者同士が、どのような会話の応酬を見せるのかは大きな見どころになるだろう。また、河合優実演じる大物政治家の娘・小早川雅も、物語の鍵を握る存在だ。政治の金を狙う弥生に目をつけられ、当初は利用される立場にありながら、やがて2人の間には単なる利害関係だけではない結びつきが生まれていく。弥生が雅と関わる中でどのような感情を見せていくのかも、石原の芝居を追ううえで注目したいポイントだ。
弥生はなぜ政治の金を盗むのか。そこにどこまで正義があり、どこまで本人の欲望があるのかは、現時点では分からない。だからこそ、最初から“実はいい人”とはならないでほしいとも思う。
悪党なのか、正義の味方なのか。視聴者にも簡単には判断させないまま、それでも弥生の行動をもっと見たくなる。そんな少し危険で、したたかな石原さとみの魅力が、『ポリティカルパン』では存分に味わえそうだ。
参照
※1. https://www.fujitv.co.jp/politicalupin/introduction/
■放送情報
『ポリティカルパン』
フジテレビ系にて、10月7日(水)スタート 毎週水曜22:00~22:54放送
出演:石原さとみ、高橋一生、河合優実、寛一郎、猫背椿、川西拓実(JO1)、きょん(コットン)、宮本エリアナ、矢野聖人、余貴美子、酒向芳、間宮啓行、岩松了、古館寛治、草刈正雄、渡部篤郎
脚本:野木亜紀子
主題歌:RADWIMPS「娑婆堕罵 -Shabadaba-」(Muzinto Records/EMI)
音楽:岩崎太整 プロデュース:北野拓
制作プロデューサー:白石裕菜 (ホリプロ)、加藤若葉 (ホリプロ)
演出:髙野舞、谷村政樹、及川拓郎
制作協力:ホリプロ
制作・著作:フジテレビ
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